OZ さんの感想・評価
4.1
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
2期に向けて落ちないケイデンス
原作の漫画は読んでいないが
普段漫画を読まない人達からおススメされ
観てみたら一気にハマってしまった
2013秋~2014春までの3クール作品
■2期に向けて落ちないケイデンス■
原作はかなり売れてるとの事で
野球やサッカー バスケットボールと違い
一般的に馴染み深いとは言い難いであろう
自転車競技を題材にした熱血スポーツ作品『弱虫ペダル』
主人公 小野田 坂道は
これといった取り柄も無いオタクな少年だが
彼の成長と共に熾烈な戦いを繰り広げる展開は
セオリー通り安定して楽しめる。
「ケイデンス」「ダンシング」等
度々 専門用語が出てくるものの
押し付けがましくなく説明されていて
自転車競技を知らない人でも
分かり易い作りなのは高評価だ。
唯一の弱点は"展開が遅い事"に集約されるが
その分 濃い密度で描かれており
次回への引きが抜群に上手い。
スローペースな展開に目を瞑れば
30分もあっ!という間である。
2期が2014秋アニメから始まる前提とはいえ
中途半端な場面で終わってしまう為
区切りはある程度つけてもらいたかったかな。
インターハイ編のクライマックスに向けて
これから盛り上がりを見せる事は必至なので
まだまだ期待のケイデンスは落ちないだろう。
■アブない男■
登場人物が多数出てくる今作品の中で
一際危ない男がいる。
何と言っても京都伏見高校 御堂筋が
ダントツの気持ち悪さと存在感で圧倒するけれど
心を鷲掴みにしてくれたのは
一見爽やかでストイックな雰囲気を醸し出す
箱根学園の2年生スプリンター 泉田 塔一郎。
右と左の大胸筋にアンディ フランクと名付け
御堂筋とは一味違う気持ち悪さを持つ。
口癖が「アブ!」であり
試合中も呼吸するかの如く
「アブ!アブ!」と口にする。
英語で腹筋は「abdominal muscles(アブドミナルマッスル)」だが
通常「abs(アブス)」が用いられる。
彼は「腹筋!腹筋!」と言ってる事になり
一層危険な香りが漂う。
作中で最もインパクトが強く
思わず笑ってしまった場面は第36話のCパート。
全裸でサウナから飛び出すや否や
「アブゥ~♪」と満面の笑み。
ネタキャラと化しているが
本当にアブない男である。
2期でも彼の活躍?に期待したいな。
■日常生活と普通の少年■
そういえばどことなく小野田 坂道は
『はじめの一歩』幕之内 一歩や
『アイシールド21』小早川 瀬那に境遇が近い。
元々 秘めた素質を持っているが
スポーツとは直接関係ない日常行動で
基礎体力が備わり 競技に通じている。
坂道は小学4年生の頃から
片道45km以上離れた秋葉原に
ギアが細工されたママチャリで
ほぼ毎日通い続け脚力を
一歩は家の釣り船屋を手伝っていた結果
強靭な体力や脚力 平衡感覚を
セナは約10年のパシリ生活で
驚異的な脚力が備わっていたとかね。
日常生活の何気ない行動が
実は○○で活かす能力を培っていた。と
普通の少年が徐々に才能を開花させる物語は
スポーツ物で感情移入出来る設定である。
■あとがき■
3クールともなると9ヶ月か。
すっかり長い付き合いになり
終わり方は中途半端だったけれど
全38話を楽しめたな。
あまりにも面白くて
アニメはまだ途中だが
原作に手を出してしまったよ。
他の自転車競技漫画では
『かもめ☆チャンス』や
『Over Drive 』くらいしか知らなかったけど
『弱虫ペダル』は代表的な作品になりそうだね。
何でも自転車乗りが増えたとか。
1クール空いてしまうけれど
今作品の作者である渡辺航先生の『まじもじるるも』が
2014夏アニメから始まるので
そちらも楽しみながら待つ事にしよう。
満足度 ★★★★★★★★☆☆ (8)