どらむろ さんの感想・評価

3.9
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

NHK初の衛星オリジナルアニメ。マリアン姫が可愛かった（サイキッカーの時）

1990年に放送されたNHK制作のオリジナルアニメ。全52話。
アレキサンドル・デュマの「ロビンフッドの冒険」を原作としているが、「ふしぎの海のナディア」と「海底二万里」程ではないが全然別物である。
ロビンら少年少女が、悪徳領主に反抗してシャーウッドの森で生き生きと大活躍するお話。
NHKの子供向けアニメだけに、人死には出ないので（回想除く）痛快活劇として安心して観れる。
1話1話は緊張感あったり時に心温まる良エピソード多いのだが、流石に52話もあると、全体としては冗長な感はあるかも知れない。


{netabare}『物語』
正義感の強い少年ロビンと仲間達がシャーウッドの森で生活したり、悪徳領主アルウィン男爵と戦って懲らしめたりする。
当時の長期放送が当たり前のアニメと、現在の1～2クールアニメを一概に比較すべきではないが、やはり冗長な感は否めない。
ワンパターンが続いたり、途中若干退屈な展開もある。
3クールくらいで調度良かったような気がする。
それでも魅力的なキャラやストーリーは多く、ゆとりを持って視聴できるならば良作。
タツノコプロ制作だけに、子供達が色々な工夫や謎技術で大活躍するのは痛快。
男爵側も居城に据え付けられた巨大砲台等のオーバーテクノロジー繰り出してきたり、バトル面も意外に面白かったりする。
領主の圧政や公害問題等の結構重いテーマもあったが、NHKアニメらしく深刻な人死には出ないのが安心。
男爵との戦いだけでなく、多くの人々と関わって、色々と成長もする。
ロビンはアルウィン男爵に父を殺され、ヒロインのマリアンは（理由は明示されていないが）男爵を激しく憎み、憎しみに囚われる展開もあった。
それでも聖職者のタックら良き大人の助言もあり、憎しみを乗り越えていくのが見所だった。
このアニメで一番面白かったのは、中盤辺りのマリアン姫が憎悪に囚われて超能力が暴走する辺り。
ここら辺のマリアンはかなり怖い＆可愛いｗ
一方、後半に一時は改心した男爵が、結局は悪から脱却できなかったのは、後味良く無かった感。
男爵も改心するチャンスはあったのに、やや不運な巡り合わせを感じてしまった。
その分、ロビンとマリアンが良き人々に巡り合えた幸運を、視聴し終えた後に感じた。


『作画』
当時としてはかなり良い方なのでは。
シャーウッドの森等の自然風景の描写は手描き特有の美しさがあった。
キャラ作画か若干崩れる事もあるのは、時代を考慮すると許容範囲。
マリアンちゃんは当時のアニメヒロインと比較しても十分可愛い。
バトル面では、剣劇バトルはややワンパターンか。
それでも、タツノコメカの面目躍如な超兵器は楽しませてくれた。

『声優』
ロビン役の伊倉一恵さん、マリアン役の松井菜桜子さん共に良かった。
松井菜桜子さんのマリアン姫は非常に可愛く、また泣いたり叫んだりする感情の極まった際の演技に迫力がある。
特に、中盤のサイキックヤンデレ状態なマリアンの危険な可愛さは、松井さんの名演技にかなり支えられていた感。
他声優陣は非常に豪華、流石NHKアニメ。

『音楽』
森の美しさや神秘、バトルの緊迫感等、音楽は当時としても水準高い。
OP・EDも印象的。

『キャラ』
キャラの魅力は十分。
一見いい加減だが良き大人な聖職者タック、少年山賊リトルジョン一味、ロビンをライバル視する騎士ギルバート等々。
ギルバートは何考えてるのか分からない、ヤンデレ男子な印象もあったがｗ
アルウィン男爵やヒヤフォード僧正は典型的な小悪党だが妙に憎めないところがあった。
本作の一押しキャラは、メインヒロインのマリアン・ランカスターちゃん。
当時としても、かなりの美少女だと思う。大好き。
序盤は囚われの深窓のお姫様→中盤は憎悪に燃えるヤンデレサイキッカー→後半はロビンの良き理解者にして正妻ポジの名ヒロイン。
全編通して可愛いが、個人的には中盤のサイキッカー状態のマリアンちゃんに萌える！{/netabare}