OZ さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
雨に唄えば
原作の漫画は読んだ事無いが
なかなか面白いと耳にしたので
観てみる事にした2014春アニメ
■雨に唄えば■
男勝りなヒロイン ニケ
歳相応には見えない11歳の少年王 リビ。
二人のストレートなラブロマンスと
ファンタジー溢れる世界観で彩られる
『それでも世界は美しい』
原作は少女漫画なのだが
コテコテの感じでは無く
コメディ寄りになっている為
どちらかと言えば少年漫画に近い感覚は
男性でも入り込み易い。
「晴れの大国」や「雨の公国」
舞台背景もパッと見で分かる上に
物語の軸がしっかり整っているので
安心して観ていられる構成である。
一方 矛盾してしまうが
良くも悪くもブレない展開になっており
意外性は無いまま
一つのイベントが収まってしまう。
ニケが窮地に陥っても
「何だかんだで無事なんだろうな」と
"波乱が波乱に見えない"展開は
王道故の難点だろう。
観ていて気恥ずかしくなるくらいのニケとリビ
雨に唄えば唄うほど
二人の愛はゆっくりと育まれていくのかもしれない。
■アメフラシの歌■
今作品の重要な場面に用いられる儀式。
「私欲や個人の愉しみのために行うことは通常禁止されている」との事で
神聖なモノとして扱うと観ていたけれど
最初だけはともかく
段々と軽く扱われた様に見えたかな。
例えば第3話 ニケのお披露目パーティーで
アメフラシの歌を余興の為に要求される場面がある。
雨降らしをおもちゃ扱いされるのは嫌だと
頑なに拒むニケだが
あっさりパーティーで披露。
勿論 ニケの本意は
リビの心を潤す事であるのは分かるけれど
私利私欲などで軽々しく使うものではないと
ババ様の教えがあったので
神秘的な儀式として
ここぞの場面のみで扱ってもらいたかったものである。
■OPの変化■
ストーリーも然る事ながら
印象に残ったのがOP。
「BEAUTIFUL WORLD」の曲そのものも良いけれど
細かい演出で毎回楽しませてくれた。
第1話のOPはニケしか登場しないのだが
2~3話とストーリーが進むにつれて
少しづつ変わっていく。
最も違いが分かり易い場面は
冒頭 階段の手摺りをニケが滑り降るカット。
2話目まで階段には誰もいないのだけれど
3話目から3人のメイドが登場。
次の廊下の場面では4話目以降になると
ニケの着ているピンク色した衣装が
白のドレスに変化していく等
他にも多々変わっている点はある。
前回までの内容を踏まえており
さり気なくネタバレをしているOPが多い中
先入観を持たずに観れる配慮はありがたいものだ。
反対にEDはシンプルな作りとなっているが
キャラクターのカットに合わせて
声優さんの名前が表示されるので
どの役を誰があてているのか分かり易い。
OP ED共に親切な工夫は
観ている側として嬉しいものである。
■あとがき■
観ないジャンルの作品だから
期待はしていなかったけれど
日常系作品とは違う癒やしで
思っていたより面白かったよ。
深夜アニメってよりは
世界名作劇場で放送しても違和感ないな。
それにしてもアメフラシの歌を唄う
ニケ役の前田玲奈さんは良い声してたね。
つい 聴き入ってしまったよ。
雨は好きじゃないけれど
これから雨が降る時に
何処かでアメフラシの歌を唄っているのかな?なんて考えると
まんざら雨も悪く思えなくなったね。
満足度 ★★★★★★☆☆☆☆ (6)