Lovin さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
観た感じ
■概要{netabare}
原作:松本ひで吉(「なかよし」連載)
監督:太田雅彦
シリーズ講師:あおしまたかし
キャラクタデザイン:工藤昌史
制作:スタジオぴえろ+
話数:1クール全12話
OP:「YES!!」
by 大橋彩香
ED:「ぴてぃぱてぃサバイバード」
by ゲスかわ☆ガールズ
園川モモカ(CV.大橋彩香)
鳳美煌(CV.内山夕実)
春日野うらら(CV.大久保瑠美)
経堂麻耶(CV.Lynn)
豪徳寺かよ(CV.東山奈央)
{/netabare}
■感想
原作漫画は未読でTV放送を視聴。下衆いコメディの話。
転校初日の主人公園川モモカは、通学の電車内で痴漢に遭遇するが、親切な女性に助けて貰う。しかしこの親切な女性は、痴漢男に対していきなり銃を突きつけるほど、色んな意味で危険だった。やがて親切な女性と痴漢男との格闘が始まるが、到着した駅員によって制止される。想像の通り、取り押さえられたのは痴漢男ではなく親切な女性だった。
登校後、転校慣れしている主人公は、通過儀礼である不慣れな転校生を演じていると、電車で助けてくれた親切な女性を目撃、その後を追い「さばげ部」と書かれた怪しい扉に到着する。
色んなところで色んな方が仰る様に、この作品が原作の通りなら「なかよし」に連載しても良いものかと疑うほどの下衆い話だ。どのくらい下衆いのか、「ゲスかわ」と宣うが本当に「かわ」は存在するのか、原作的にはそうでも言っておかないと色々と問題があるのだろう。
さばげ部の面々について、経堂麻耶、豪徳寺かよ辺りは、若干の問題はあるにせよ、普通に過ごしていれば取り立てるほどでもない、まあ「かわ」の部類だと言えなくもない。だが、残りの三人は下衆い成分が多過ぎる。
まず最初に、さばげ部に入部したての園川モモカに対して執拗に攻撃していた春日野うらら。園川モモカに危害を加える理由は、憧れの存在である鳳美煌が園川モモカを気に入っていることが許せないことだった。結局、より下衆い園川モモカの報復を受け、今度は園川モモカの下僕となってしまう。因みに西ローランドゴリラ並みの握力を持っている。
次に、さばげ部部長の鳳美煌。彼女は学園内の憧れの対象で絶大な人気を持っているが、奇怪な言動も多く生徒会長からは敵視されていた。基本的には富豪令嬢で、物事を解決するのに使うお金には頓着しない。園川モモカをさばげ部に入部させたい折には、園川モモカを騙して入部届にサインさせるボケも見せている。そして、生徒の誰もが所持を許されない銃を披露した際、呼吸するようにサラリと「留年しているからだ」と告白する、顔の皮の厚さである。
最後に、転校早々に射撃センスを発掘された主人公、園川モモカ。このキャラが「本当に主人公なのか?」と思うほど一番下衆い。クライマックス(一貫したストーリーのないコメディだが)では、皆が友情に熱い展開になっているときに、自分を背負っている春日野うららに「いざと言うときはこいつを盾に自分は逃げる」という考えを先読みされるという、下衆い根性は知れ渡っているようだ。
ここまで下衆さについてのみ書いてきたが、コメディなので許せる部分がある。この作品に関して、妙な入れ込みも憤りも感じなかった。面白くなかった、と言うわけではなく、ツッコミ所では空かさず玄田哲章のナレーションによるフォローが入るし、好感の持てる作品だと感じた。そして「コメディなので許せる」という部分が、冒頭で述べた「かわ」の部分にあたるのではと考える。
普通のコメディとして楽しめた良作だと思う。そして、もし他にこのような作品が連載されている「なかよし」なのだとしたら、アニヲタとしては原作採掘場としての希望を感じた。
■蛇足{netabare}
次回予告での玄田哲章のナレーションはT3のパロディなのだろうか?
もしそうだとして、それは今の世代に伝わるのだろうか?
今の世代は、ダイナモで発電する自転車のライトを知らないのだから。
{/netabare}