ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
手に汗握るバトルシーンと粗悪な人形劇のような日常シーン
原作は月刊アフタヌーン連載中のロボットSF漫画
ストーリーは王道SF+ハーレムラブコメ
何世紀も前に地球という故郷を失い
放浪する宇宙船シドニア号
それを襲う謎の生命体奇居子(ガウナ)との
人類の存亡をかけた戦いと
いつ果てるとも知れぬ定めの戦闘員たちの
日常ラブコメが主軸となっています
本編はフル3DCG(厳密にはフルではないらしい?)なのでその時点でかなり人を選ぶかも
戦闘シーンでは3DCGの魅力が最大限に発揮され
奇居子(ガウナ)と衛人(もりと)たちの
臨場感と緊迫感に溢れる戦闘シーンは
とても見ごたえがありました
それに対して日常シーンは
3DCGが完全に足引っ張ってます
静止画ならばそこまで気にならなくとも
動きをつけると表情の変化が乏しくて気持ち悪い
表情に変化をつけたらつけたで
セリフとうまく連動できてなくてやっぱり気持ち悪い
キングダムやアルペジオのときも思いましたが
現時点で3DCGで違和感なく人間を表現するのは
作画よりもよほど手間がかかります
作画ではコストがかかり過ぎる複雑な動きを
多少安価に表現するのには3DCGが向いていますが
表情の機微を表現しようとすると作画に到底かないません
ハリウッド映画のような予算があるなら別でしょう
しかしコスト削減と時間短縮という
TVアニメで3DCGを使う目的から
大きく外れてしまっては全く意味がありません
ラブライブのライブシーンのように
動きの少ないシーンは作画に頼って
動きの多いシーンは3DCGを使いつつも
細かな表情にまで目がいかないように
カメラワークで常に動きをつけ続けてごまかす
というところまでやってようやく使い物になるかなぁという程度
ただし、後半に出てくる{netabare}エナ星白に関してだけは別
3DCGの無機質な表情が
人間を模しているが人間ではない
そんな彼女の妖しい魅力をより一層引き立てていました
それはつまり結局のところ人間を人間らしく描写するには向いてない
ってことなんですけどね{/netabare}
そんな微妙な映像クオリティの日常ラブコメでも
まぁ何とか見れたのは声優さんたちの頑張りのおかげでしょう
特筆すべきは星白閑役の洲崎綾さんと緑川纈役の金元寿子さん
洲崎綾は昨年あたりから急に頭角を現してきた声優さん
たまこまーけっとの北白川たまこやキルラキルの満艦飾マコ
あるいは我々ゲーマーにとっては
艦コレの特III型駆逐シスターズと青葉、もがみん、おかーさん
多彩なキャラをきれいに演じ分ける演技力は中々のもの
金元寿子もここに来て一気に表舞台に立つことが増えてきました
商業的には散々だったとはいえ琴浦さんが大きく話題になったことで
イカちゃんの人という強すぎるイメージをようやく払拭でき
正当な評価を受けられるようになった感じですね
最終話にて2期決定との報がありました
発表時期から考えてただの分割2期という気もしますが
引き続き視聴したいと思います
おまけ(ネタバレ要素大)
{netabare}いい加減な作品ほど細かい粗は気にならないものだけど
こういうリアリティのある作品ほど細かい矛盾点が気になっちゃう
場合によってはそれだけで醒めちゃうくらいに
3話
久しぶりに現れたガウナに赤井班が挑むシーン
ああいう結果になる可能性は十分にあったはず
少なくとも小林艦長が事態を楽観視していたとは思えない
あとから資料として映像に閲覧許可を出すならともかく
訓練生風情にリアルタイムで見せるわけないよね
5話
遺伝子操作で光合成できるようになった人類
という設定に文句をつける気はないです
でも光合成をするには光を吸収する必要があります
人間の目は対象物に反射した光を色として捉えます
全ての光を吸収していれば黒に
すべての光を反射していれば白にみえます
多くの植物が緑色をしているのは
緑以外の色の光を吸収しているからです
光合成中の星白の肌は白すぎます
それは殆どの色の光を吸収せずにはじいていることを意味します
あれでは光合成は無理だねぇ{/netabare}