かげきよ さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態：観終わった
ここまで描くならブレぬ世界観を。
生き残りをかけた凄惨な戦いが繰り広げるガストレアVS人間。
そんな中で天童民間警備会社に所属する高校生・里見蓮太郎と
相棒の少女・藍原延珠が刻む戦いの記録。
【総評】
良い作品で楽しめたが、かなり勿体無い所があり悔しく感じる。
まず目に付くのが偏見と憎しみの対象になった『呪われた子供達』への仕打ち。
「またかよ…。」と思いつつも、子供達の心情や可愛らしさが良く描けているので
何度も何度も私の心をえぐってくれた。
人間の深い闇と愚かしさを強調する事で蓮太郎達の戦いに意義を投げかけたり、
それでも小さな希望を信じ戦う姿を一周りも二周りも大きく見せる事には成功していた。
しかし、それにしては市民生活に緊張感が無い。どこか余裕がある。
極限状態での人間の愚行であれば納得も出来たし救いも見え深い物も感じられたはず。
ここまでするからにはもう少しに緊張感のある世界観を用意し
説得力を持つ必要があったと思う。
本当の敵が「ガストレア」だと理解しつつも「呪われた子供達」に
当たるしかない状況を描ききって欲しかった。
それが出来ていないので人間が救いようのないバカに見えありえぬ愚行に説得力を失い
「無理に作られた悲しみ」になっていて作品を安いものに仕上げてしまっている。
もう一つは悪の描き方。
宗玄の様に野望と信念も兼ねた立派な悪と
そして木更が見せたダークヒロインぶりは素晴らしいものがあった。
悪の描き方は判っていたはずだ。
しかし木更兄が自分を悪と認め放ってしまった「真の悪人は死なない」宣言と
聖天子親衛隊の言動の愚かさは目も当てられぬ程の安い悪だった。
幾らでも描き様はあった筈なのだが残念だ…。
その他はかなり優秀だと思う。
ストーリーにも引かれているので早く２期が観たいと思っているし
作画や演出にも優れ安定して楽しめた。
ロリに関しても内容が伴っていて苦手意識は発動しなかった。
それだけ良くできた作品なのだが…。
内容がキツく感じる人もいると思うので万人にお勧めは出来ませんが
闇や鬱に耐性のある人なら楽しめると思います。
