にゃっき♪ さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
groping in the dark
首の後ろにハーネストと呼ばれる円筒を埋め込まれ、実験台として魔法使いにされた少女たちが、一度記憶した事は忘れないライトワンス(write once)の特殊能力の持ち主である、主人公の村上良太(むらかみりょうた)の協力のもと、生き抜くために明日を模索するダークファンタジー作品です。
良太は、幼い日に自分を助けようとして亡くなったと聞かされている幼馴染の少女であるクロネコをずっと想い続けていて、クロネコにそっくりの転校生、黒羽寧子(くろはねこ)に興味を持ちますが、寧子は、研究所から移送時の事故に紛れて逃げた魔法使いで、鎮死剤を毎日飲まないと生きていけない事を知ってしまいます。
良太は、専用の天文台や近くにある温泉を、ほとんどひとりで自由に使える天文部員という設定で、彼の周りには、様々な特殊能力を持った逃走中の魔法使いが集まってきて、同じ原作者のエルフェンリートほどグロくはありませんが、他に行き場のない訳ありの少女に囲まれるハーレム展開は、まるでエロ成分を増強して劣化した焼き直しのように感じました。
物語は、命をつなぐ薬の調達や調合の試み、ハーネストに生息する生物の謎の解明などを挟みながら、次々と現れる刺客を撃退しては日常に戻るのを繰り返す構成になっています。
日常パートの学園生活や露天風呂シーンはコメディ色が強く、通常はシリアスと相いれないと思われますが、限られた延命薬でカウントダウンされる命を、少しでも普通の少女らしく暮らしたいという儚い願いによって、ギリギリのところで両立させているように感じました。
個人的には、スペックが異常に高く、過去を引きずり、ドヤ顔が鬱陶しい良太にあまり好感を持てませんでしたし、終盤の原作改変が、かなり醜いご都合主義で、受け入れがたいレベルだった事もあって、エルフェンリートのように、悲しみに満ち溢れ、心に刺さるものを感じる作品ではなかったのが残念です。