景禎 さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
また俺と友達になってください
連載中の漫画のアニメ化作品です。
題名のとおり、一週間しかもたない友達のお話。ヒロインの藤宮さんは、親しい友達との記憶が、毎週月曜の朝にリセットされ忘れてしまう、という架空の記憶喪失の症状を持つ女子高校生。同じクラスの主人公(長谷くん)は藤宮さんが好きで、あるとき彼女に「俺と友達になってください」とアタックします。
藤宮さんの記憶がなくなるのは親しい友人についてだけで、あまり親しくない人の記憶は普通に残ります。また、親しいといっても家族は例外で、忘れませんす。そういう設定のもと「友達とはなにか」というテーマを掘り下げる作品です。
一応、学園日常系のラブコメ(コメかどうかは疑問だが・・)に分類されるような作品かな。「ある仮定を置いて、その上で起こるいろんなことを描く」という意味で言えば、SFと言えなくもないかもしれない。でも、なぜ記憶がリセットされるのが月曜日の朝なの?というツッコミはしてはいけない気がします。
この作品、「静」と「動」でいえば「静」の印象の強いアニメです。全体的に会話中心であまり動きがなく、物語の展開速度も遅く、サクサクのテンポ感がない。なので最初はちょっと退屈に感じましたが、何回か見続けていると徐々に作品に引き込まれていく魅力を持っています。
物語の中では、いろんな形の「友達」が描かれます。それこそ、表面を取り繕うだけの関係もあり、いわゆる親友の関係、さらに恋愛関係と区別がつかないような関係、そのほかにもいろいろなバリエーションの友達関係が描かれます。そして、友達どうしの間のいろんなイベントや、友達の間で起こる諍いごと、その中で登場人物が成長していく様子も描かれます。
主人公の長谷君とヒロインの藤宮さんの関係は、恋愛関係のようであり、そうでないともいえる、いわゆる高校生ぐらいの年頃の恋愛半分友達半分というような関係でしょうか。
二人とも地味目のキャラで、ギャグ的にも面白みが少ないので、この二人だけで作品をもたせるのはさすがに無理があります。桐生君と沙希(サキ)ちゃん。ちょっと風変わりな二人の脇役キャラがこのアニメを支えていると言っても過言ではないです。
終盤、ある転校生をきっかけに、藤宮さんの記憶喪失の原因が明らかになり、静の印象の作品にも、ちょっとした山場を迎えます。
EDはスキマスイッチの10年ほど前の超有名な曲、奏(かなで)。カバー曲ですが、まるでこの作品のために作られた曲のようにマッチしています。各話の最後のシーンにイントロがかぶって曲が始まる手法、ありがちではありますが、作品の雰囲気を印象付けるいい演出になっていると思います。
普通は1番だけ、最終回のEDは2番から最後までが使われていますので、全曲聞くことができます。