みかみ(みみかき) さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
極めて丁寧なキャラ配置
ただの百合系萌えアニメか何かかと思っていたら、対戦の表現が、レベル高くて驚いた。一つづつの試合の描写がすごく丁寧。25話のうちの大半を、ほとんどそこの描写に使っている。
団体戦の描写の、各プレイヤーごとのキャラの位置づけをしていく丁寧さは、やや大げさに言えば『スラムダンク』を思わせる。基本的に試合がわからなくても、キャラの位置づけに基づく描写がしっかりしているので、キャラの強みごとをベースに見ればじゅうぶんにいける。というか、逆に麻雀を知っていると、ハチャメチャ展開っぽいので、知らないほうが楽しみやすいかもしれない。
なお、あくまで「バトル」を盛り上げるためのキャラ配置が丁寧なのであって、キャラの心情描写はまったくザルというか、コテコテな適当描写以外は期待してはいけない。エンターテインメントとしてのキャラ描写なるものをつきつめて考えてつくってるな、という感じ。※1
この作品のキャラ描写、は単にキャラクターの特徴を描く、というのではなくて対局において、各キャラが組み合わさったときの展開の面白さ、みたいなところから逆算してキャラ描写が成立している感じがする。つまり描写の優先度は、まず「対局」があり、そのために「キャラ」を考えていってるという雰囲気。キャラありき、のキャラ描写じゃない感。
釘宮だじぇっ子とかステルスモモとかは、対局の描写というよりも、キャラのアクの強さだけでも成立してる感じがするけれども。他のキャラは、キャラ描写だけが前面化するというよりも、「麻雀」の対局を通す中で、はじめてキャラとしての個性が浮き上がってくる感が強い。
ここは、なんか萌日常系の「キャラ」とはぜんぜん違うんだよね。同じ「キャラを立てる」という描写だとは言っても。
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あと、思い出したのは基本的に、K-1の興行とかでも、プロモーターはキャラ付けの適当な話ばっかつくっているけれども、確かに、細かいことわからんでも、キャラ付けさえわかえれば、試合ってけっこう見られるもんなんだよな、とかしみじみ。
一応、百合ものでもあるけれども、百合なくてもいける。というか、個人的には百合部分はやや退屈ではあった。あと、原村和の巨乳表現が、何か突き抜けたところに到達していると思った…。
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原作未読なので、原作読んでからだとまた評価かわるかも。あと、わたしは麻雀まったくわかりません。
※1 伊藤剛いわく「キャラクター」ではなく「キャラ」だけが、丁寧に仕上げられている、と言い換えてもおk