かげきよ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
本格派SFアニメ
宇宙を旅する巨大な宇宙船・シドニアと
対話不能の異生物・寄居子(ガウナ)との戦いを描いた硬派なSFアニメ。
【総評】
本格的なSFが楽しめ非常に満足いっている。
多くの者が戦死し、その悲しみや不安や恐怖が刻みつけられ
シドニアの住人の間に常に「死」が意識され。
そして住人の命運を背負い戦う騎士達に「生」への一縷の希望を託し送り出す…。
生と死が織りなすこのスパイラルが抜群の緊張感を生み出し世界観を構築している。
長道を中心に
厳しい現実の中、恐怖と使命感の間で揺れる心や一時の安らぎ、恋や友情も描かれていて
ヒューマンドラマだけをとっても優秀だが
それらの感情に合わせ上記の生と死、全て乗せ戦う姿こそこの作品の真髄。
心を揺さぶられ観入ってしまう。
BGMや会話を通じて盛り上げていく演出も素晴らしく
CGを使用した作画にも力が入っていて鈍い鉄の質感等作品に良く合い
それらがぐるぐると回り様々なアングルで繰り広げられるバトルでは
臨場感、スピード感、高揚感と言ったものが十二分に味わえた。
ストーリーとしても謎が多く、予想したり考えて観る事が好きな私の好みに合っていた。
「ガウナとは何者?」とか「シドニア乗員は本当に人類なのか?」とか
色々と思いをよぎらせながら楽しめた。
まだまだ謎だらけ疑問が広がったままなので今後が気になる。
ただ欠点がないわけではない。
人物の特徴が出づらく違いが判りにくい作画なので混乱する要因にもなっているし
この癖が元々受け付けられないと思う人もいると思う。
それと戦闘で次々と死を迎える仲間がいる一方で、
また次々とどこからか沸いて生まれる仲間がいる。…ように見えてしまう。
死が過剰になっていて仕方ない部分もあるだろうが
扱い方や登場のさせ方がもったいなく感じる。
負傷兵、帰還兵も使いもう少しバランスを取れていたらなぁとも思ってしまう。
それでも十分秀作なのでオススメできる。
終わり方もキリが良く1期単体でも楽しめるはず。
2期も決定しているようなので今から楽しみだ。