sekimayori さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
日常系の極北
るん、トオル、ユー子、ナギの女子高校生4人組の日々を平熱で描いた、日常系アニメ。
数ある日常系の中でも、異様に日常純度が高いです。
スカウターぶっ壊れるレベル。
フックなんて捨ててかかっていて、ただただ普通の4人組の日常生活の一部を切り取ったイメージビデオみたい。
ある種ノーガード戦法の尖った作風で、潔さすら覚えます。
たださすがに淡泊すぎ、Aチャンネルを流した晩は、ほぼ確実に寝落ちしてました。
覚えてる内容って、バット、リモコン、おでこフェチ、抱き付き、猫、くらい……?
曲がりなりにも完走したんだけど。
これが若年性痴呆ってやつか、ゾッとしねぇ……。
ここまで淡泊だと、逆に作者の意図が気になってきます。
原作者さん、何を考えながらお話を作ってるんだろう?
映画でも日常系作品ってあるけど、「身近なものだけで幸せになれる」みたいなミニマムな世界の肯定を伝えたいんだな、って部分は伝わる場合が多いように思います。
面白いかどうかは別として。
翻って本作は、そこまでは主張してないでしょう。
かといって、ただキャラ萌えさせるにも、刺激の強いキャラものが氾濫する昨今では、ひきつける力が弱い気も。
受け取り方に悩みますね。
9割9分9厘後者が正解で、自分には雰囲気が合わなかっただけなんでしょうけど。
というか、より濃厚な作品群を浴びてるせいで淡泊に感じられるのかも。
嫁に味噌汁の塩分濃度を徐々に高くされているけど気づけない姑、みたいな。
いつアニメ自家中毒で死ぬのかな。
なんにせよ、何も起こらない日常を1クールのアニメとして成立させたスタジオ五組の手腕は、たぶん称賛に値します。
こだわりの作画で強固な映像空間を作り出していたことは事実。
寝落ちしたと言いつつ、観るのをやめようと思ったことはないですし。
癒され度はとても高かったですよ。
寝落ちした翌朝パソコンつけっぱで机に突っ伏した状態から起き上がっても、不思議と寝起きがよく、気分爽快でした。
取り出したレンタルDVDがめちゃくちゃ熱くなってたのは秘密。
白状すると、一番頭に残ってるのはOPの謎のセンス。
「どんなとんがったアニメになるんだ?」とワクワクしたもの。
確かにある意味先鋭的(?)でしたね。
最初の電柱と標識がリズムに合わせて流れる場面、Star GuitarのPVのオマージュかと思ったのは自分だけだろうか。
【個人的指標】 54点