kids さんの感想・評価

4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

シンプルで落ち着いた作風だが秀逸なストーリー

コンテンツの一つ一つは王道といった感じですが、組み合わさるとどうしてこんなに独特な素晴らしいものになるのでしょうか。コメディってほど笑い要素は強くないですが、とても楽しめました。


まずは登場人物について
主人公は省エネ主義で面倒なことはしない折田奉太郎です。だが彼は目の前の情報を組み合わせて推論を立てることにとても優れています。この作品が推理ものであるのは彼のおかげでしょう。

そしてヒロインの千反田えるはとってもかわいい(^^)
お嬢様で料理、勉強もとってもよくできるというキャラ設定で、前半は好奇心でいっぱいのあどけない瞳が、後半は年頃の女の子としてのかわいさがとてもよく表現されていました。彼女がこの話の中心にいるといっていいでしょう。推理を行う上では、動物的な優れた五感と人の感情を大事にする第六感を活かして感覚的に物事を捉えます。折木も一度感じていましたがなんだかおねだりが上手な犬みたいだなって思いました。

福部里志は情報屋です。いろんなことを知っていますが、結論を出したり決断をするのは苦手みたいです。それから伊原摩耶花はなんといいますか、一番特殊な設定がない登場人物な気がします。この二人はストーリーの軌道修正をしつつ、後半は恋愛関係でいろいろなことがおこりましたね {netabare} （バレンタインデーのチョコとかバレンタインデーのチョコとか） {/netabare} 。この部分も心情の描写がとてもよくされていて感情移入しやすかったです。


次にストーリーについて
ストーリーの枠組みは、上記の四人による古典部が、古典とは全然関係なく日々出会う不思議な出来事の謎を解いていくというとてもシンプルなものです。すごいシンプルな設定なのに、ストーリーはとっても面白いと思いました。
まず、殺人事件とかそういういわゆる推理小説で扱われるようなことは扱われません。 {netabare} 昔親戚から聞いた話を訳あって思い出したい、映画の脚本が途中で途切れてしまったから、結末を教えてほしい、文化祭を騒がすイタズラの黒幕を探し当てたい。などなど {/netabare} 現実でありそうで、でもやっぱりありえないかなって思うような、身近に感じられるものが題材となっていて、なんとなく入り込みやすかったです。
そして一番秀逸だと思ったのは、ミスリードが多いことです。例えば {netabare} 映画の続きを予想する話では、映画を作った人たちの考える推理がだれでも展開的に間違っていると分かる範囲のミスリードとして3つ、その後折木が導き出した結論が、最終的に間違っていたのでこれが見る側の予想を裏切るミスリードで、結果的に視聴者を惑わすミスリードが4つもありました。そして最後の結末は最初の時点では想像もつかないようなもので、かつ気遣いとは何なのかを考えさせる個人的にはとてもいいものでした。 {/netabare} このように正しい答えとそれに辿り着く前に見せる正しそうな答えが比較的多いことに、秀逸さを感じました。
それから高校生の話なので恋愛は外せません。メインの折木と千反田は {netabare} 両思いなのかなっと思わせる描写を混ぜながら、少しずつ距離が縮まっていく様子 {/netabare}が 、福部と伊原は {netabare} 伊原の気持ちを受け取ってもらいたいという想いと、それにどう向き合うべきか苦悩する福部の姿 {/netabare} がとてもよく表現されていました。 {netabare} もし続きがあったら、四人とも幸せな結末が待っているのでしょうか。続きがとても気になります。 {/netabare}


音楽について
BGMは今までどのアニメでも悪い感想を持ったことがないので省略します。

OP,EDは久しぶりに毎回飛ばさずに楽しみました。特にEDはヒロイン二人のキャラソンになっていて、特に後半のEDはけいおんと雰囲気が似ているなと感じました。歌詞もストーリーとつながっていて良かったと思います。


最後になりますが、このアニメを観て損したと思う人はほぼいないのではないでしょうか？好みにもよりますが、とりあえず観てみるのレベルでも確実に楽しめる作品だと思います。