腐った果実 さんの感想・評価
2.6
物語 : 2.0
作画 : 2.5
声優 : 2.5
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
花の慶次スピンオフ作品
この作品んは原作は原哲夫・堀江信彦、作画:武村勇治という形でコミックバンチにて連載されていた物をアニメ化したものです。
そもそも花の慶次という作品の果てに生まれたスピンオフ作品というのがこの作品であるのですが、正直劣化が酷いです。
元々花の慶次自体が、娯楽時代小説の鬼才である降慶一郎の「一夢庵風流記」という小節を漫画にしたものです。
慶次自体はジャンプで人気を博した大作ではあるのですが、実際は原作の良いところを半分以上削ったものであり、原作小説を読んでいた人間からすると、非常に消化不良を起こすものでもありました。
それはいいとして、花の慶次は傾奇者・前田慶次を主人公に据えた痛快娯楽時代小説であるのに対し、本作品である義風堂々は彼の莫逆の友である直江兼次を主人公に変えたものです。
関ヶ原が終わり、米沢30万石に所領を減らされた上杉家に仕官し、それまでの名を捨てた慶次が、穀蔵院ひょっとこ斎となり、いくさを捨て、ただ花鳥風月を愛でる日々を送る余生、そこで友である兼次との昔語りという調子で、この作品は進んでいく。
しかし兼次が主人公であるため、花の慶次であった慶次と兼次のエピソードはすべて、兼次が主となる物へと書き換えられており、簡単に言えば兼次アゲに終始しているという事です。
その為、原作や慶次を知らない人には、まあ男臭いあつくるしい時代劇という卒のない作品。
そして原作を知り、花の慶次を知る人には、何とも劣化が酷いという印象になるでしょう。
戦闘シーンや、何か特筆すべきエピソードが起こる際は、何故か川から竜が空へと渦巻いたり、慶次に虎が、兼次には毘沙門天が背中に大げさに浮いてみたりと、まるでミスター味っ子の味皇様が食事をするときのような面倒くさい演出がいちいち入ります。
これが駄目ならきっと最後までは見れませんね。
あとモブがやられるときに、北斗の拳の雑魚が死ぬときをオマージュしたものがちょいちょい入るのがウザイですね。
そんな訳なので、個人的にはよっぽど兼次好きとかじゃなければおすすめできません。