OZ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 2.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
三歩進んで二歩下がる絆
原作の漫画は少し読んだ程度だが
淡い作画に惹かれ
2014春アニメの中で
最も期待していた学園青春作品
■三歩進んで二歩下がる絆■
1週間で友達との記憶を失くしてしまう
記憶障害を通した男女間の友情メインに
重い物語かな?と身構えていたが
意外にライトな展開の一週間フレンズ。
原作は前半4コマ
後半普通のストーリー形式になっている
変則的な漫画である為
構成に不安を感じていたけれど
テンポはむしろ良くなっている。
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』で
シリーズ構成を担当した
菅 正太郎さんの構成力は流石である。
驚いたのはEDにスキマスイッチの「奏」を
カバー曲として使っていた事。
元から素敵な曲なので
文句のつけ様はなく
ヒロイン 藤宮 香織を演じる
声優 雨宮天さんの歌声は
原曲とまた違った
耳触りの良い曲へと変化していたね。
強いて言えば
ストーリーに歌詞がリンクしているのは
主人公 長谷 祐樹側の心情なので
藤宮さんの歌は好きだが
そこだけ勿体無くもあるかな。
記憶が失われても
日記によって思い出し
1週間経つと忘れてしまう。
同じ事を繰り返しながらも
少しづつ前に歩んでいく二人の仲は
三歩進んでは二歩下がる
切なくて淡い絆の物語だ。
■評価を分けた長谷 祐樹の声■
藤宮 香織をはじめ
友人 桐生 将吾や山岸 沙希は
違和感無く溶け込んでいたけれど
どうしても合わなかったのが
声優 山谷 祥生さん演じる長谷 祐樹の声。
デビューして間もない新人声優さんらしいので
良くも悪くも初々しく
仕方の無い部分はあるが
嬉しい時 怒っている時 哀しい時
どの声も同じトーンだから
台詞の内容が聞き取れなければ
喜怒哀楽が伝わらないんだよね。
メインキャラクターなので出番も多く
女々しい感じが合っていても
最後まで馴染めなかったなぁ。
■病と悲壮感■
今作品の注目する点は
何と言っても藤宮 香織の記憶だろう。
家族の事は覚えていても
月曜日になると友達の記憶だけが
すっぽり失われてしまう。
どれだけ友達と楽しい時間を過ごしても
必ず月曜日は訪れ 振り出しに戻り
また1週間をループする。
よくよく考えれば深刻な病であるにも関わらず
病院に通う 薬を服用する カウンセリングを受ける等
治療を施す描写が一切無く
悲壮感は薄れてしまっている。
作品の雰囲気と異なってしまうのかもしれないが
友情とは別に治す為の姿を見たかったね。
少しでもあればもっと感情移入出来て
入り込めたのかもしれない。
■あとがき■
期待通りとはいかなかったけれど
藤宮さんの可愛らしさで楽しめました。
もっと恋愛要素が絡んでくると観ていたので
友達のままでは物足りなく感じ
恋人関係にならないにしても
もう一歩踏み込んで欲しかったな。
終わる頃には
長谷君×藤宮さんペアより
将吾×山岸さんペアの方が気になってたよ。
最終回の階段踊り場で
仲直りする場面にキュンとしたね。
終始 将吾が背中を押してくれ
男から見ても格好良かった。
どうでもいい事なのだが
学校の自販機前に「ナンパするな!」の
張り紙が貼ってあったのはちょっと気になった。
学校でナンパする生徒が多いのかな?
もし2期があるとして
記憶障害が完全に治るのなら観てみたいけれど
治らないで繰り返しになってしまうのであれば
終わり方は綺麗だったので充分だね。
満足度 ★★★★★★☆☆☆☆ (6)