三崎鳴 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
僕と、友達になってください!
葉月抹茶作漫画『一週間フレンズ。』を原作としたアニメーション作品。ストーリーは“一週間で友達との記憶をなくしてしまう”少女「藤宮香織」と友達になろうと近づく主人公「長谷祐樹」の2人を中心に展開する青春ラブコメディ。設定自体はかの名作『ef』を彷彿とさせたりもするが、23歳という若さの原作者ならではの瑞々しい感情表現と白い光に包んだ水彩画のような繊細な作画で、大分魅せてくれる作品となっている。高校生の心理を巧く的確に捉えており、視聴者の共感をどれだけ得られるかで評価が定まる青春ものというジャンルにおいて、狙いは見事的中しているといえる。又、綺麗な面ばかりでなく、主人公が独占欲を剥き出しにしたり、ヒロインを追い回したりと少々気持ち悪くも思える“若気の至り”をも描いているところは作者の力量が見て取れる。自分と過ごした日々を忘れられても、それでも友達でい続けようとする主人公。あくまで2人は友達以上恋人未満の関係だが、他人への善意が、あるいは親しみ、やさしさが溢れており心が温まる。現実の高校ってもっと陰湿な苛めとかもあったりしてこんなもんじゃないだろう…とは思いつつもせめて創作物の世界では救いを求める、現代のアニメ視聴者層には受け入れやすそう。総合的に、無難に綺麗に纏まっており、1クールものとしては良質で万人受けする作品だろう。是非、相応の評価を受けてほしい作品である。