大阪カランコロン さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
荒川弘の才能を感じる物語
銀の匙ですね。
最近映画化ということもあって題名を聞く機会の多い作品だと思います。
自分の中でアニメ原作ものの実写というのは成功しないというジンクスを持っていますので、期待していないので観に行くことはないのですが、原作に至って忠実なアニメは必見であるとお勧めします。
まず第一にこの原作の荒川弘さんですが、あの鋼の錬金術師を描かれた方であるということに驚きを覚えたかたも多いかと思います。
シリアスでダークなファンタジーだったあの名作から一転、現代の農業高校に農業、畜産に触れたことすらない主人公が進学し新しい観点からまっすぐに問題に立ち向かっていくというストーリーです。
彼は惰性で進学してしまうような人間です。ですが純粋で真面目で一生懸命になれる人なんですね。。
生まれた時から農場、牧場にすんでいる他の生徒では当たり前。
でも彼にとってはいろいろと感じることがあるんです。一般的にはこうだからと、生まれながら農家という生徒はそういう疑問に向き合ったことがなく自然と適応してしまっていたんですね。
ですが、主人公にはそれができませんでした。
出来ない?というのはすこし違うかもしれません。
私たちにも状況は違えど同じように感じることが普段からあるものかと思います。そういう風に教えられたから、周りもそうしているから・・・と疑問にもったとしても考えることを放棄してしまったことがあるかと思います。
また考えてもそれに対するリスク計算をしたりした結果、変えようとはしなかった。ということがあるかとは思います。
新しいことを自ら行うにはそれなりにエネルギーが必要でその力は多方面に働かなければならず、放棄、あるいは逃避するのが長い人生を生きていく中であるいは賢い生き方なのかもしれません。
決してそれが一概に間違いということはないのですが、このアニメを原作を通じてちょっと自分の中での標準を一度リセットして、流されるままに進む生き方にワンクッションおいてもらえる。そういった内容になっているのではないかと思います。
人生に変化を求めて行動を起こさくても考えるだけで見え方は変わり、あるいは楽しく生きていけるのかもしれません。
心にある種の栄養を求めようとしている方にはオススメのアニメだったと思いました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。