「ピンポン(TVアニメ動画)」

総合得点
83.7
感想・評価
1634
棚に入れた
6634
ランキング
315
★★★★★ 4.1 (1634)
物語
4.3
作画
4.0
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.2

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

今度、名作と名高い映画版を観てみようかな。まだ見てないし

いやあ、いいアニメに会った。ノイタミナ枠ではずいぶんと久しぶりな気がしたけど、前クールに銀の匙があったか。

ピンポン
作画は原作寄りにしてるのかな、電車の線も真っ直ぐじゃなくて味がある。コマ割りやFLASHアニメのような演出で、アニメより漫画に近い印象を受けた。でも、試合の重要な場面では打ち合いも丁寧に描かれていて迫力があった。
 萌え系のアニメだとキャラデザがかなり気になり、そのアニメ絵を自分が気に入るかどうかが視聴するうえで重要になってくるけど、悪の華や四畳半みたいな作品になるとそこはもうどうでもいい。気にならない。


スポ根だけど、ヒューマンドラマの色合いが強く感じた

壁にぶち当たり、挫折を知って成長する
巷では俺TUEEEE系が流行ってるらしい?けど、ピンポンのように登場人物の成長が見られる作品のほうが好き
作品を通して心身ともに成長する、そういうキャラのが魅力的に感じます。ベジータとかジャン・キルシュタインとかね

敗北から学び、それぞれ心境に変化があるところがいい!ペコもスマイルもウェンガも,成熟していると思われた風間でさえも、試合を通して精神的に成長している。



日中友好
卓球選手としてのキャリアから外れ、ふてくされ気味なウェンガ
日本などたいしたことない、中国に戻るための滑走路くらいにしか考えていなかったが
スマイルからほぼ敗北に近い勝利を得て、その後ドラゴンに負けて吹っ切れる。今いる場所でできることに取り組み始めた。
彼とコーチの信頼関係も良かったし、仲間たちと打ち解けていく様も見ていて顔がほころんだ。クリスマスを一緒に過ごすなんて来日したときは想像さえしていなかっただろう。あとカラオケが全国放送で流されることも。
チームとしては一番まとまっていた学校だと思う。最後に選手として調子を取り戻したようで本当に良かった


ヒーローを救うアクマ
 しょっぱい卓球をするようになっていたペコ。ウェンガに完敗し、その後夏の大会ではずっと格下だったはずのアクマにまで負け、卓球から離れる。
 ペコが強いと思わせておいて、実はスマイルの隠していた実力がすごいという展開にワクワクしたし、中盤を見てスマイルが主人公だったのかと思ったけど違った。やはりペコだった。そうだ、ヒーローは遅れて登場するものだった!ヒーローは一度負けてもパワーアップして帰ってくるものだった!!
 彼を復活させるのが、親友のスマイルでなく腐れ縁のアクマであるところがまたいい!なぜスマイルが本気で卓球に向き合い始めたのか謎だったが、不器用な彼にできるのはそうやって間接的にペコを触発し、待つことだけだったんだろう。しかし、アクマは真正面からペコにぶつかる。頭髪を剃り、全力で卓球に向き合い、その結果見えてしまった才能という超えられない壁……。それを実感したアクマだからこそ、本気にならず才能を燻らせているペコにあのセリフを放ち、行動のきっかけを起こさせることができたのだと思う。このシーンと、スマイルのあだ名の由来、ばあさんの「愛してるぜペコ」…いったいどれだけ胸を熱くさせれば気が済むんだ!


ヒーローとドラゴン
 神話でもゲームでも英雄はドラゴンを倒すものだが、ピンポン星からやって来たヒーローはドラゴンを重い縛りから解き放ち、共に空を飛んだ。
完全無欠、阿修羅のような強さを誇ると思われていたドラゴンだが、心中はそうではなかった。幼き日、父との悲しい記憶。一族の中で肩身の狭い思いをしながらも、ただ耐え、ただ己を律し、ただひたすらに強くあろうとした。
空を飛べず、目の前で落ちていった父…幼少期の彼にとってものすごいトラウマだったろう。それを乗り越えるためには、父のようにならないためには、自分が生きていくには、着実に強さを蓄えていかなければならなかった。全てを犠牲にして…
海王のエースとしての、日本代表としての重圧。
風間のような強キャラポジションはいろんなスポーツ作品でも存在するが、学生離れした考え方やメンタルの持ち主であることが多い。そのため忘れがちだが、言ってもまだ高校生男子なのだ。弱さが無いほうがおかしい。
しかし、周囲の期待・尊敬の眼差しは風間にそれを許さない。9話視聴時はよくわからなかったトイレでの会話のシーン(それでも「少し泣く」はめちゃかっこよかった)だが、10話でのペコとの打ち合いによってその真意がわかった…。風間の抱えていた苦悩、それを払拭させるペコの楽しさに溢れた卓球。型にはまらない戦法だが、そのスタイルはまごうことなきヒーローだ。
ペコ対風間で流れていたBGMは楽しさが溢れて音になって伝わってくるようで、ヒーローのBGMそのもので、とても良かった。9話での会話、今までのストイックすぎる風間の言動、ペコとの試合を通して、重すぎる重圧から解放され卓球は楽しいものだと思い出す流れ。少し泣くどころではない!気を抜いたら声を上げて泣いていたかもしれない。名シーンが多すぎるピンポンだけど個人的にこの回が最も気に入った。

あと名前わからないけど各地を放浪してた人もよかった。いくら海外で自分探しをしてもみつかりはしない。けっきょく巡り巡って辿り着くのは自分の過去、そこに探していたものはある。皆そうなんだ、ペコもスマイルもウェンガもドラゴンも

投稿 : 2014/06/22
閲覧 : 282
サンキュー:

18

ピンポンのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
ピンポンのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

青陽が他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ