くらうち さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
努力と才能
不作だった2014春アニメの中でも群を抜いてました。
私が特に好きなキャラクターは、アクマです。
彼は、誰よりも努力したにも関わらず、才能という壁を超えることができずに挫折します。
ある領域でトップを目指して努力し続けている人であれば、多くの人が感じることだと思います。
私も目指す目標があり、ハードルを軽々と超えて行く(ように見える)周りの人達を見て、才能がないのだろうかと自己嫌悪に陥ることがたびたびあります。OPの「唯一人」にもこんな歌詞があります。「自分と他人を比べて落ちてゆく」。
だから、第5話「どこで間違えた?」でのアクマの叫びは本当に心に響きました。それに対するスマイルの「才能がないからだよ」という冷たいあしらいも、グサリと刺さりました。
この作品を、結局は才能がある人間だけが成功できるんだ、とヤムチャ視点で見ることもできます。
しかし、私はそうはしたくないです。
第6話「おまえ誰より卓球好きじゃんよ!!」で、アクマは、才能がありながら腐っているペコに対してこんな言葉をかけます。
「血反吐吐くまで走りこめ、 血便出るまで素振りしろ。 そうすりゃちったぁ楽になんだろ。」
才能がないと嘆いてる暇があったら努力する。
本当に努力しきった人間だけが、才能がなかったと口にしていい。
アクマにはその資格があったのです。
この言葉には本当に勇気づけられます。ピンポンの中でも随一の名台詞です。
もうだめかも…そう思ったときは、このセリフを思い出してがんばれそうです。
努力し続けてまた代表に返り咲いたチャイナも救いですね。
この作品は、ペコとスマイルが主人公です。感情を抑えてロボットのようになっていたスマイルを、彼にとってのヒーローであるペコが救い出し、血の通った人間にするというところがメインなんだと思います。
ただ、私は、アクマというキャラクターが強烈に心に響いてきて、そっちの方が魅力的でした。