にゃっき♪ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
L'Étranger
弱さや嫉妬、欲望など負の感情につけ込まれてディアボロス・タロットに身体をを乗っ取られたダエモニアを相手に戦う少女たちを描いたバトル作品です。
ダエモニアになった人は元には戻らず、核になっているタロットカードを破壊しない限り、普通の人には見えない形状に変化して災いを引き起こします。ダエモニアと戦えるのは、それぞれ別のタロットカードの血統に生まれた22人のエレメンタル・タロット使いだけで、ダエモニアのディアボロス・タロットも枚数は同じですが分裂して増殖します。
母から太陽のカードを継承した主人公の太陽あかり(たいようあかり)は、タロット使いの育成機関であるセフィロフィオーネで出会った、星河せいら(ほしかわせいら=星のカード)、月詠るな(つくよみるな=月のカード)、白金ぎんか(しろかねぎんか=節制のカード)と共に4人でチームを組んで戦いますが、あまりに過酷な運命が彼女たちを待ち受けていました。
序盤は主人公に迷いがあり、仲間を危険に晒したり他のタロット使いの邪魔をする展開はかなり不愉快で、キャライメージを損ね憂鬱な気分にさせられました。
前半は一話完結で四人がわかりあえるまでを描いていますが、他人事として片づけていたものが自分の問題になって初めて気がつくパターンが繰り返されますし、四人の戦いに対するスタンスの違いをわざわざまとめる必要があったのかも疑問に思えました。
でも最初の出来事が最後になって生きてくるのは悪くなかったですね。
電車で席を譲られ、年寄扱いされて傷つく人。
楽しい話題を提供して会話が盛り上がるなか、話を中断されて取り残される人。
自分にとって他人に優しくしているつもりの行為が、相手や周辺の人にとって必ずしも歓迎されない事はいくらでもあると思います。
重要なのは、だから優しくしないのではなく、それを理解した上での優しさの選択にあるのでしょう。
少女たちやダエモニアのキャラデザや、絵柄と内容のギャップから、魔法少女まどか☆マギカを連想させる作品ですが、意外性に乏しく、あまり大きな期待をしないで視聴なさった方が良いと思います。