景禎 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
おれたちにできない事を平然とやってのけるッそこにシビれる!あこがれるゥ!
昭和末期から30年以上つづく長寿連載漫画のアニメ化作品。
舞台となる国は、イギリス、アメリカ、イタリア、日本・・・、時代も19世紀末から現代まで。いわゆる大河ドラマです。いくつかのPartに分割され、現在Part8を連載中。
このアニメ作品には、Part1(1話~9話)と、Part2(10話~26話)が描かれています。
Part1は18世紀末のイギリスが舞台で、主人公は青年貴族のジョナサン・ジョースター。略してジョジョ。
Part2は20世紀初頭、第2次世界大戦前のアメリカ・メキシコ・イタリア・スイスが舞台になり、主人公はジョナサンの孫のジョセフ。略してジョジョ。
Part1とPart2では時代も国も違うので、ほとんどのキャラが入れ替えになりそれに伴って声優も入れ替わります。
ちなみに「ジョジョ」とはビートルズのGet backの歌詞にちなんでいるらしいです。
見始めて最初に感じたことは「非常に濃い!濃すぎる!!」に尽きます。
いきなりクライマックスで常にハイテンション。セリフや語りはほとんど絶叫といっていいほどのテンションで、おまけに説明的な長ゼリフが多い。そしてそれが30分間断なく続く。登場人物のほとんどが男で、それもマッチョでむさくるしい。昭和臭プンプンで萌え要素など微塵もナシ。
原作から入った人には苦にならないのかもしれませんが、私のような原作未読者とっては、このハードルは結構高く、2012年秋の放映時は2~3話で視聴断念でした。
前シリーズ終了からほぼ1年後、この春から続編アニメが放映開始され、これを機に前シリーズを見直してみようかな・・・と、再度視聴挑戦。
最初は前述の濃いノリとむさくるしさに苦労したのですが、Part2に入ったくらいで徐々に慣れてきました。Part1の主人公はイギリス紳士ということもあり、堅苦しい印象だったのですが、Part2の主人公はけっこうチャラい性格で、声優の杉田智和さん(はまり役!)の演技も相まって、このあたりから徐々に付いていけるようになりました。ハッピーうれピーよろピくねーーー。そうこうしているうちに、1期26話を見終わる頃には、ジョジョの独特の世界にどっぷりとハマり込んでしまっていました。
いろいろ聞いてみると、Part1の前半はあまりおもしろくない・・という意見をよく聞きますから、この作品にとっつきにくいと感じている人には「とりあえずPart2のはじめの分部までは我慢して見ましょう!」と助言を贈ります。
さて、この作品の特徴は「漫画の手法を積極的に取り入れているところ」だと思います。
漫画のコマ割りに動きを付けた、言うならば動く漫画という感じの表現方法が用いられます。バトルシーンなどは、一般にヌルヌル動くほうが良いとされていますが、この作品では、あえてカクカクの連続で、よりダイナミックで力強い動きを表現することに成功しています。静止画のダイナミズムとでも言いましょうか。
漫画文化が浸透している日本でしかできない表現も多々あります。漫画でおなじみのゴゴゴゴとかドドドドの擬音の文字が画面に躍るのも新鮮。
ディズニーアニメなどの目指す方向とは180度真逆の方向を向いた作品です。それも堂々と。
音楽も秀逸。
昭和っぽいOPも魅力的ですが、特徴あるのはビートルズ風のED。演奏時間は8分を越える大作で、本編の最後のシーンにかぶってEDが開始されることが多いのですが、回によって使われる分部が違っています。それがまた効果的。