退会済のユーザー さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
間違いなく不遇な扱いの名作
近年制作された「ガッチャマン クラウズ」ほどオリジナルと乖離していない、比較的原作に忠実にリメイクされた90年代の新生ガッチャマンです。
何故もっと評価されなかったのか・・・何故打ち切られてしまったのか・・・心底疑問です。
以前見たポリマーのリメイクは打ち切りでも納得できるものではありました。アクションやデザインは良かったですがシナリオ面に難があったので。
しかしこちらのGATCHAMANは全体的にクオリティが高い。特に1話を見て興奮しないファンはいないはず・・・と思いたいです。(元祖ガッチャマンは所々しか記憶にないので言い切れないのが無念です)
1話、あの世界を股にかける秘密結社ギャラクターと、5人の勇気ある若者で組織された科学忍者隊が、真っ向からぶつかっていく熱い展開。
2話、ギャラクターに引き裂かれた親子の意外な形での再会、そして共闘。
3話、ベルク・カッツェと健(ガッチャマン)の死力を尽くした最終決戦。
もう、熱くなりっぱなしでした!
打ち切りのせいで謎をいくつか残したまま終わってしまったけれど、せめてあと3話あれば大分違ったはずです。
何より特出しているのが、メカデザイン・メカ作画の素晴らしさ。
5人それぞれの固有メカ、そしてゴッドフェニックス。
ギャラクター側のメカ、1話のタートルキング・2話の移動要塞・3話のデビルスネーク。
どれもインパクトのあるデザイン・そして緻密な作画。
これ目当てに見ても後悔しないと言い切れるレベルでした。メカにあまり興味がない自分でも興奮してしまいました。
ガッチャマンらしいアクション、あの隼のように華麗に動き回る素早さと一人一人の特徴ある武器や技。そして科学忍法!
これもヌルヌル動くもので、見応えがありました。
ガッチャマンを演じる小野坂昌也さんとカッツェを演じる塩沢兼人さんの声色がセクシーでたまりません。
特に痺れたのが最終話でのガッチャマンのこの台詞。
{netabare}
「お前たちギャラクターの野望を挫くためならば地獄の底からでも蘇ってやるぜ!」
{/netabare}
根谷美智子さんと折笠愛さんの二人も同上。
唯一みみずくの竜(G-5)を演じていた立木文彦さんには違和感がありましたが、大体敵も味方も問題なかったです。
音楽ですが、これも単体でも聴けるほどの完成度なのに勿体ない・・・。
モーリス・ホワイト、ビル・メイヤーズのお二人。
これが梅津さんのリアルな作画と絶妙にマッチして異様な迫力を出しています。
ED主題歌の「LET'S FLY」。合ってるかどうかは別として凄く良い洋楽。洋楽好きの方にもおすすめです。
水木一郎さんが歌う「ガッチャマンの歌'94」もカッコいいんですよ。ただ次回予告の間ちょろっと流すだけなのがこれも勿体ない(笑)
こっそりPV置いておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=9GHAyPcd3vg
何がダメだったのか考え続けた末、もうこれは元々のコンセプトの段階でミスマッチなんだと悟りました。
リアルなキャラデザの渋い作風でやろうとする新しい試みと、タツノコヒーローが合わずに違和感が浮き彫りになってしまう。
そのせいで90年代のリメイク作品はどれも埋もれていったんでしょうね。
とりあえず、次はキャシャーンを見てみます(笑)