OZ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
連続アニメ小説『花咲くいろは』
前回『凪のあすから』がお気に入り作品になったので
構成 岡田麿里さん× P.A.WORKSと
同じ組み合わせである事から期待が高まり
『true tears』『TARI TARI』を観て
最後に残ったP.A.WORKSの青春3部作
■連続アニメ小説『花咲くいろは』■
古びた旅館で働く人達を描いた
お仕事青春ドラマの今作品。
P.A.WORKSらしい作画が目を引き
主人公 松前 緒花を中心に
明るい世界観で入り込み易く
テンポも良好で展開される。
安定したストーリーである一方
大きな山場が無いので
盛り上がりには欠けるかな。
印象に残るのはOPで
前期 後期どちらも
映像と音が作品に溶け込んでいたね。
特に後期OP「面影ワープ」がお気に入りだ。
先へ進む電車
自転車二人乗りで追い越す菜子と民子に
下り坂を全力で走る緒花
緒花のひたむきな前向きさが際立つ
作中で最も好きなカットだ。
何かを見つけて打ち込む者や
妥協しながらも前を向いていく者。
今出来る事を精一杯取り組む姿は
朝の連続テレビ小説の様な
正統派青春ドラマである。
■ハマる口癖 ハマらない口癖■
キャラクターを引き立てる際に
口癖を持たせるのはよくある設定だが
ハマる場合もあれば そうでない場合もある。
今回は後者であり 浮いていると感じた言葉が二つ。
一つ目は松前 緒花の口癖”ぼんぼる”
願い事を叶える為
目標に向かって頑張りたいと思う気持ちを
ザックリ表現しているそうなのだが
「一生懸命ぼんぼりたい! 」
「きっとぼんぼってた」等
頑張りたい気持ちは伝わるものの今一つピンとこない。
そのまま「頑張る」でも良かった気がするよ。
"ぼんぼる"はまだ良いとしても問題は二つ目だ。
鶴来 民子の口癖である”ホビロン”
【ほ】んとに
【び】っくりするほど
【論】外!
の略であり
相手を罵倒する際に度々使われる言葉なのだけれど
「アンタって本当にホビロン!!」等
語呂が悪いのか 響きが悪いのか
何度聞いてもしっくりこない。
言葉自体がまさにホビロンである。
緒花と民子は
メインに描かれるエピソードが多く
感情移入し易いのだけれど
口癖によって魅力が減少したかな。
作品外で流行った様子は無く
ハマらない場合は
設定に振り回されてしまい
無くても良かったと感じたよ。
■ドラマCDが面白い■
本編を観終わった後に聴いてみたら
意外と面白かった
後日談にあたるドラマCD。
『花咲くいろは ドラマCD~after days~ 』
舞台は最終回から5ヵ月後
民子 菜子 結名 緒花の順で
各キャラ 4つショートストーリーが収められている。
それぞれ聴き応えはあるのだが
中でも楽しめたのが民子編。
最終回では新たなバイト先が
見つかった様に映ったけれど
そこで得るモノは無く
改めてバイト先を探す民子。
何故かメイドカフェで働く事になり
「いらっしゃいませご主人様」と
照れて言えない彼女が可愛らしい。
次第に素の彼女が出てしまい
デレないツンツンメイドになっていく。
ここでも「ホビロン!」は健在で
客は「もっと叱ってくれ」と大喜び。
本編とは毛並みが違うコメディ風なので
好き嫌いはハッキリ別れるだろうけれど
番外編『花咲くいろは』と思って聴くと
中々完成度が高いんだよね。
本編が楽しめた人は勿論
物足りなく感じた人も
手に取ってもらいたい一枚かな。
■あとがき■
全体を通して楽しめたけれど
最後は無難に幕を閉じたので
もう少しドラマティックな展開を
見せて欲しかったね。
恋愛がメインじゃないにしても
考ちゃんと緒花の恋愛が中途半端だったなぁ。
純粋で一途な男の子として
好青年ではあるがパッとしない為
緒花は彼の何に惹かれていたのだろう?
どちらかと言えば
徹に想いを寄せる民子の恋愛の方が
気になっていたので
そちらをメインで観たかったな。
とはいえ
一生懸命頑張る緒花の姿は
観ている側に元気をくれるんだよね。
『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』も
楽しみに観てみたくなったよ。
満足度 ★★★★★★★☆☆☆ (7)