アルカット さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
時をかける少女「暁美ほむら」
作品のタイトルがタイトルということで、普通にレビュー書いても仕方が無いと思いましたので。部分的な意見や感想を書くことにしました。
久しぶりに、完全なネタバレを含むレビューです。それでは。
①・QBやインキュベーターと呼ばれている生き物と魔法少女との関係とは
②・なぜQBは特定人物(まどか)にしつこいのか
③・この世界における魔法少女とは一体なんなのか
①について→9話より。
QBがまどかに対して魔法少女の解説を。
この作品の肝となった「エントロピーって知ってるかい?~」以降、QBが言っていた事を解説。
簡単にまとめると、QBはこう言っていたみたいです。
・エントロピーを簡単に例えると、ある熱エネルギーを生み出す為にしなければならない仕事量は、その生み出される熱エネルギーの量に見合わない。つまり、ロスが生じていくということ。
・その為このままでは、QB達の住む宇宙全体のエネルギーが減っていく一方。そこで、そういった熱力学の法則に見合わない新しいエネルギー源を探してきた。
・それが人間の生み出す感情エネルギーであり、エントロピー(エネルギーのロス)を覆す最適な存在が、感情の起伏の激しく多感な”少女”であったということ。
更に噛み砕いて説明すると、QB達にとって少女達は、使い捨ての石炭(燃料)みたいな存在であるということ。でした(^^;不憫ですね。
②について→第11話よりヒントを得ます。
QBとほむらの会話から始まります
なぜ、鹿目まどかが魔法少女として膨大な素質を持っていたのか---。それは、ほむらのたび重なる時間退行に有りました。何度も何度もめぐりめぐった因果律的なものがまどかに集中してしまったのだとか。
それを裏付ける為に、10話のほむら過去回が有りました。
ほむらはまどか達の学校に転校してきます。
しかし、運動も音痴で学業もままならない冴えない女の子でした。
そこへまどかが話しかけてきます。・・・少し好意を抱いたのでしょう。
なおも、しょぼくれていたほむらの前に魔女が襲いかかります。そこへまどかとマミさんが颯爽登場。
まどか「クラスのみんなには、内緒だよ☆」
・・・・・そして最大の敵ワルプルギスの夜を前にし、歯が立たずやられてしまうマミさん。そして、それに立ち向かっていくまどか。
その光景を目にした、
ほむら「私は、鹿目さんとの出会いをやり直したい。彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守る私になりたい」
こうして、時を操る能力と共に魔法少女となったほむらは1度目のやり直し。
1度目→まどか死亡。
2度目→魔女化したさやかを、ほむほむ爆殺。乱心したマミさんを冷静なまどかは狙撃。ここのまどかは本当に冴えていました。
そして、二人でワルプルギスと戦うも全然ダメ。そこでまどかは残しておいたグリーフシードをほむらに託し、自分がQBに騙されないように過去を変えてきてほしいと頼み込む・・・。
3度目→なんとかまどかをQBの魔の手から救い、ワルプルギスと戦うも、敗戦。選択肢の無くなったまどかは魔法少女となって、ワルプルギスをあっさりと倒すも、最悪の魔女と化してしまう。
4度目→おそらくこれが、このお話の世界線。第1話のほむら登場シーンにリンクしてきます。(少ない気はしますが)
つまり②はこういう事 →元々ワルプルギスと戦える資質を持っていた為、QBが目を付けていた鹿目まどか。そこに、ほむらが時間退行を重ねる度にまどかは力を増していき、QBのしつこさもまた度を増していきました。・・・これまた不憫ですね。
③について→9話の会話や全体の流れから。
魔女を倒してもらい、不の感情エネルギー(エネルギー源)を生み出してから、魔女になってもらい(魔女化)、それをまた別の魔法少女に倒してもらう(魔法少女のリサイクル)・・・・・新しいエネルギー源の為に、QB達インキュベーターによって、太古の昔から契約させられてきた不憫な女の子達のことを指します。
叶えてもらった願いの分だけ不幸を背負わなければなりません。理不尽ですね(^^;
-全体の感想まとめ-
ほとんど文句の付けどころは無く、最後の最後まで感心させられる作品でした。これを一から脚本考えた虚淵さんの力には、相も変わらず脱帽でしたね。
1クール物の作品としては、最高傑作と言っても差し支え無いレベルの出来だったと思います。
長ったらしく書きましたが、ご精読ありがとうございました。