sinsin さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 2.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
やはり脚本家主導だと思ったアニメ。
【良い点】作画。
【悪い点】TVシリーズより、無個性。主題歌がTVシリーズより良くない。
【総合評価】この、作品は、TVシリーズから二年後の竜宮島(味方の防衛拠点)を舞台としている。
主に、フェストゥム(謎の侵略物体ミールによってコントロールされる)との戦いを描いた物語である。前回、TVシリーズで、北極のミール(フェストゥムの各個体をコントロールする思考中枢)を、破壊することに成功した。今劇場版では、そのことによってフェストゥムが個体で考えを持ったようだ。フェストゥム同士で、バラバラになってしまった様子。
どうも、フェストゥム内で対立が起きているようで、物語序盤人間型フェストゥム来主 操が、竜宮島に来る。一緒に、別のフェストゥム、人類軍(竜宮島とは違う人類の軍隊)と、戦うために共闘してくれと交渉するためだ。
真壁 一騎(主人公)は、そこにフェストゥム自我、皆城 総士(一騎の友人前作でフェストゥムと同化)の意思を感じ、フェストゥムの心を持った生き物としての可能性を見た。そして、フェストゥムと人類軍共に争いを避けるべく対話する。
そんな、蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTHの世界観。
来主 操をコントロールするミール=痛みをなくすために戦う=痛みを否定=現世界の否定。
対比
真壁 一騎=痛みを背負って戦う=痛みを受け入れる=現世界の肯定。
来主 操は、「蒼い空っていいなぁ」と言って、真壁 一騎に同意を求めてきた。それは、同調を求めることによって自分自身を個体として、認めてほしいとゆう欲求。真壁 一騎は、そこにフェストゥムとの対話の可能性と、皆城 総士の意思を感じたようだ。
だがその行いの実体は、来主 操をコントロールするミールを生かすための手段でしかなかった。来主 操は、ミールとは、異なる意識を持っていた。そして、なるべく人は殺したくない。終盤ミールとの考えの違いに苦しんでいた。
そんな、苦しむ、来主 操を、真壁 一騎は人間として受け入れた。そして真壁 一騎は、来主 操に対して「苦しくても、そこにいることを選び続けろ」と言った。その瞬間来主 操は、完全な自我を確立した。
テーマは、「現世界を肯定して自我を確立しろ」とゆうものだと思う。簡単に言えば、大人になれである。
TVシリーズを、補完したせいもあると思うのだが、ロボットが良く動く。同じ、蒼穹のファフナー と思えないほど良く動く。
作画による演技は、まあまあ。キャラクターは、TVシリーズより若干整合性のあるデザインになった。そのことによってTVシリーズにあった、いい意味での止め絵の漫画っぽさがない。
TVシリーズにあった、ゆっくりと流れる日常がなくなったのも残念。
蒼穹のファフナー は、そこが良かったのに。もともと、脚本の良さでもっていた作品であるため。祭りとか日常をもっと、ちゃんと情緒豊かに表現してほしかった。今思えば、この作品の面白さは、情緒豊かな日常と悲惨な現実の対比にあった思う。
戦闘シーンを強調しすぎて、無個性に陥った。その、戦闘シーンも良く動くが特別珍しくない。
後半は、専門用語ばっかりで意味不明。
戦闘は、後半一回だけでよいと思う。その分前半で、徹底的に真壁 一騎の日常を描けばよかったと思う。
ぜんぜん、蒼穹のファフナー らしくない。特に後半は、無個性な専門用語連発の動画アニメになった。
当然のことながら、作画は良い。TVシリーズより、味がなくなった。誰も死なないし。
TVシリーズの方が面白い。