にゃっき♪ さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
politics makes strange bedfellows
幼馴染に振られて自宅警備員をしていた主人公の加納慎一(かのうしんいち)は、ネットのクイズで筋金入りのオタク知識を見込まれ、異世界に送り込まれてオタク文化の伝道師にさせられます。
都合よく行き来できるゲートやら、はめるだけで通訳の要らない指輪やら最初からツッコミどころは満載です。海外に出かけるにしても、予防接種や飲料水の調達方法など問題はいくらでもありますが、言語の違いをスルーしなかっただけでも評価しなければいけないのかもしれませんね。
異世界といえばバトルものが定番ですが、オタク文化だけを伝えるという設定には驚き呆れました。
この作品の異世界ではエルフやドワーフも生息し、ドラゴンが空を飛ぶ中世ヨーロッパのような場所で、神聖エルダント帝国が支配していますが、オタク文化を学ぶ学校の授業内容はダメなオトナの養成所のようです。
ギャグはパロディネタが目立ち、アニメを長く見ていないと意味不明なものが多いですし、ハーフエルフのメイドさんやロリ皇女に興味が湧かないと、楽しく視聴を続けるのは厳しいかもしれません。みなみけ続編の批判とも受け取れる台詞にはドキッとしましたが、監督さんの自虐ネタでした。
真面目にレビューを書いては負けって気もしますが、主人公が異世界の言語や文字を積極的に学ぼうとする様子があまり見られなかった事も気になりました。日本に何年いても通訳なしにはコミュニケーションが出来ない野球選手もいれば、あっという間に日本語を自由に操る相撲取りもいます。覚悟の違いと言い切って良いかわかりませんが、文化交流の基本を欠いているように感じられたのは残念です。