てけ さんの感想・評価

4.1
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

飾らないアイドル

廃校の危機に陥った音ノ木坂学院。
高坂穂乃果（こうさか ほのか）は、スクールアイドルを結成し、学校を盛り上げようと画策する。
最初はなかなかうまくいかないものの、穂乃果の情熱に押されて徐々にメンバーが増えていく。
仲間とふれあい、お互いのことを知り、目標をかかげ、一緒に成し遂げる。
そんな青春サクセスストーリー。


ラブライブは、雑誌のユーザー参加型企画から生まれました。
つまり、設定ありきのアニメです。
そのため、ストーリーではなく、キャラクターを重視した作品に仕上がっています。


また、アイドルものということで、アイドルマスターとよく比較されます。
しかし、ふたを開けてみればまったくの別物。
あっちはプロのアイドル、ラブライブはスクールアイドル。
取り組む姿勢が全然違います。

「プロじゃないんだから、むちゃでも変でも、やりたいようにやってみればいいじゃない！」

ってのがコンセプト。
それを体現したようなキャラクターたち。
作詞、作曲、振り付け、衣装まで、自分たちで思うようにこなしていきます。

そのおかげで、とってもライトな雰囲気がただよっています。
好きなことをやっているので、みんな楽しそうですし、勢いがあります。

アイドルは観客を笑顔にしてなんぼ。
ラブライブは視聴者を笑顔にしてなんぼ。
明るい空気で、壁にぶつかっても5分後には解決しちゃう。
トントン拍子が小気味よく、ストレスがたまりません。
スポ根のようにがんばっている姿ではなく、ありのままの飾らない姿を見せてくれます。

有名作品で言うと、けいおんによく似ています。
終盤はややドラマチックな展開ですけれども。


なお、物語はハイペースで進みます。
作中の時間経過が速い速い。
それに輪を掛けて、ライブシーンが少ないです。
活躍をじっくり見たい人にとっては「あれ？」となるかもしれません。

また、真剣に見ると粗が目立ちます。
軸となる話や、キャラクターの葛藤なども、子どもっぽさがぬぐえない。

しかし、そんなことを忘れるほど日常部分が楽しいです。


アイドルに興味がなくても、アニメ初心者でも見やすい仕上がりだと思います。
日常系アニメに、スパイスとして成長ドラマを盛り込んだ感じです。

まあ、最初こそ独特のテンションと、風変わりな演出が気になるかもしれません。
ミュージカルみたいな感じですね。
しかし、最初の3話ほど見て慣れればこっちのもの。

とにかく、肩の力を抜いて視聴しましょう。
そうすれば、見ている最中は、楽しい気持ちに。
見終わったら、心地よい感動を与えてもらえるはずです。


思った以上に楽しめた作品です。
最終回ではうるっときました。
ちょっとした清涼剤として、気軽にご覧になってはいかがでしょうか。


最後に。

これから見ようと思っている方は、Wikipediaのあらすじを読んではいけません。
結末まで全部載っちゃっていますので……。