にゃっき♪ さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
gap between haves and have-nots
一般には情報規制が敷かれていますが、ミニマムホルダーと呼ばれる特殊能力者が優遇されている社会。ミニマムを持ちながらも、細々と横浜の喫茶店に間借りして探偵をしている、ナイスとムラサキを中心とするメンバーたちの活躍を描いた作品です。
ミニマムは生まれながらの能力で、能力ある子供たちは一か所に集められ、能力育成と管理が行われていましたが、次々とミニマムホルダーが襲われ脳を奪われる猟奇殺人事件や、もともと能力を持たない後発ミニマムホルダーが関与する事件が多発します。事件の陰には、新たにミニマムホルダーを生み出そうとする黒幕の存在が明らかになっていき、ナイスやムラサキは否応なしに事件の渦中に巻き込まれていきます。
ミニマムにはそれぞれ発動条件がありますが、痛みや代償を伴うようなものではないですし、能力もどこかから借りてきたようなものばかりで新鮮味がありません。
マスコミの描き方は単純に悪者扱いで、ネットによる秘密漏洩や情報操作を作中に取り入れてはいますが、その限界や可能性に踏み込もうという気は毛頭ないようで、美味しそうな材料を並べただけで調理方法に工夫が足りないような印象を受けました。
既成概念にとらわれないナイスは概ね好感が持てましたが、黒幕キャラはあまり魅力を感じられず、能力をひとつの物差しに当てはめる事に意味がないなら、主人公二人が歴代稀にみる能力者なのにドロップアウトした設定も不要なばかりか邪魔に思えました。
依頼ごとに一話完結が基本スタイルで、黒幕の存在で一本の線につながっていく構成ですが、シリアス回のすぐ後に能天気な沖縄編を持って来たり、最終話など分割2期の前半戦と考えても醜すぎる終わり方です。
特殊能力を持つ者、持たさる者について、普通になかよしを決め込む作品群の多い事に、一石を投じることは出来たのかもしれませんが、ダークな雰囲気なのにチープが鼻につく、あまりお薦めする気分にはなれない作品でした。