雀の涙 さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
ヒロイン以外完璧な作品
物語の大筋・構成・演出などは文句なしの作品。
音楽も大変素晴らしいので、この作品の世界観・雰囲気が大好きという人は少なくないはず。
ですが、ヒロインがダメすぎるw
ヒロインに感情移入が出来ないせいで、見せ場での感動が薄れてしまっているのがこの作品の非常に惜しい点です。
{netabare}~ティナとソランの例のシーンがこの作品の一番の見せ場だと思うのですが、
幼少から共に育った許婚者であるセスを一瞬で放棄して、セスの親友であるソランに鞍替え、倫理を無視したティナとソランがした事と言えばセスの目を盗んで逢引するだけで、二人からセスに対する和解に向けた動きは何もなし。
結局セスの懐の深さに助けられる形で、ソランとセスは和解するがティナは許されるのを待ってただけで、ソランとセスが和解するや否や何事もなかったかのようにセスの前に現れる…。
当然セスの想いに対する謝罪は一切なし。
双方の父親に対する弁明もセスの申し出をアテにする厚顔無恥っぷり。
あのさぁ…。
で、その後色々あってティナとソランは離ればなれに…。
今生の別れの予感に二人の想いは高まるが、一つの約束を胸に遠い地に旅立つ。
再開の約束を胸に感動の別れのシーン…。って感動できるか!!w
ラストの『ベフォールの子供たち』がそれぞれの家族のもとへ帰っていくシーンの方が感情移入している分、感慨深いものがあります。
なによりセスが不憫すぎて…。
過ちを犯してしまった事についても贔屓目にみて許せますw{/netabare}
このヒロインの悲恋というのが、この作品の重要な部分になってくるので
ここは誰からも理解が得やすいようにして欲しかったです。
{netabare} ~ セスに許してもらえるように、二人が行動をおこした描写があるだけでも印象はかなり変わったはず。
あとは序盤のヘルガをもう少し愛想のあるキャラにしてくれれば、ほんとにもう何も言うことはないんですがw{/netabare}
欠点を長々と書いてしまいましたが、このマイナスがあってもかなり楽しめた作品でした。
{netabare} ~矛盾するようですが、別れのシーン自体は名シーンだと思ってます。
こうした方が良かったのでは?と疑問に思う部分があるだけで。{/netabare}
古臭いキャラデザも視聴を終えた今となっては、良い味を出してると思います。
とはいえ、万人受けはしないと思いますので、なかなか人に勧めにくい作品ではあると思いますが、視聴者の心に残る一作だと思います。