Dr.コトォ さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
この街で、答えが出るまで考え続けてみる
本当に不思議な作品だと思います。
脚本が非常に丁寧なので登場人物にすぐに感情移入できます。
主人公は自分の生い立ちも名前も全て忘れ、
突然壁に囲われた街に生れ落ちます。
住民は自分を暖かく出迎えてくれたけれど、
ここは一体どこなのか、ここにいていいのか、自分は一体誰なのかという不安感が、
物語の流れとシンクロしてスッと自分の頭に入ってきました。
{netabare}
「罪の輪」というような話が途中で出てきますが、
主人公始め、キーとなるもう一人の人物は
誰も肩代わりすることのできない罪悪感を抱えているように思えました。
その罪悪感が頭の中でぐるぐる回り続け、ずっと自問自答を繰り返す。
その輪からどうやったら抜け出せるのか、
誰かに助けを求めるべきか、そもそも求めて良いのか…
そしてどうやったら自分自身を許してやれるのか
答えが出るまで、ずっとこの場所で考え続けてみる、
といった作品です。考える時間を与えてくれる作品なんだと思います。
{/netabare}
似たような作品は見た事が有りません。
この世界観はこの作品だけが持ってると思います。