にゃっき♪ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
beautiful noise; arpeggio of blue steel
旧帝国海軍を模した霧の艦隊を相手に、反旗を翻した潜水艦の活躍を描くバトルアニメ。
海面上昇で多くの都市が水没した近未来、長距離破壊兵器の超重力砲やクラインフィールドと呼ばれる攻撃無効化バリアを持った、霧の艦隊に敗れた人類は、制海権ばかりか通信網も失ってしまいます。
自動制御でクルーを必要としない霧の艦隊の船は、それぞれ異なった個性や感情があるメンタルモデルという人間の女性型のインターフェイスを持っていて、中枢部のユニオンコアさえ無事なら、人類にとって未知の物質であるナノマテリアルを材料に船体もメンタルモデルも再構成する事も出来るようです。
人類を裏切って霧の艦隊に参加したと噂される父親を持ち、横須賀の海洋技術総合学院に通う主人公の千早群像(ちはやぐんぞう)の前にイオナと名乗る少女が現れます。
7年前に無抵抗で拿捕されたまま、眠っていた霧の艦隊の潜水艦、イ号401のメンタルモデルであるイオナは「私はあなたの船」と群像に告げ、停滞した現状を打破したい群像はイ号401に乗り込み、クルーと共に霧の艦隊との戦闘に身を投じていきます。
戦い勝利する事だけに執着していたメンタルモデルたちですが、群像に敗れた後に、友人を思いやったり恋愛感情を抱いたり、自らの存在意義を模索しながら変化していく過程は、子供の成長を見守るように、微笑ましく視聴できました。乙女プラグインを実装しているというくだりには、口にしていたお茶を思わず吹き出してしまいましたが^^
キャラだけ眺めていても魅力溢れる作品ですが、フルCGのバトルにしても、火力に劣る401が戦略を駆使して、戦艦クラスを相手に互角以上の戦いをする事で、カタルシスを喚起し、見る者を夢中にさせるに十分な仕上がりだと感じました。
多くの謎が残されていますが、1クールに収めるために、原作とはシナリオを変えているようなので、続編の制作が難しそうな状況なのは残念ですが、バトルや艦コレにあまり関心のない方やCGを敬遠なさっている方にもきっと楽しんでいただける作品で、4話あたりまで視聴して判断していただければ嬉しく思います。