退会済のユーザー さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
手を離したら、彼女は空に落ちていく。
◎ジャンル:SFファンタジー
◎公開日:2013年11月9日(上映時間:99分)
●原作・脚本・監督:吉浦康裕 ●キャラクター原案:茶山隆介
●アニメーション制作:パープルカウスタジオジャパン
■あらすじ■
“かつて多くの罪人が空に落ちた”ことから空を忌み嫌う世界・アイガと、そのアイガの地下世界である地下集落(サカサマ世界)。
ある日、ひょんなことからアイガにやってきた地下集落のお姫様・パテマは、自分とは「重力がサカサマな存在」のアイガ人の少年・エイジと出会い…
■感想■
作画、演出、カメラワークもかなり気合が入っていて迫力あり 臨場感あり。
劇場作品ならではのクオリティの高さを感じました。
ストーリーは王道かつ正統派な「SFファンタジー&ボーイミーツガール」ですね。
シリアスも多めですが、基本的にロマンチックで爽やかな印象を受けました。
王道とはいえ、
「世界が重力関係の相違により互いにサカサマになっていることで登場人物の存在も同じく上下サカサマの関係」
といったところは他にはない、この作品ならではの特殊な設定で非常に面白味がありました。
よくもまぁこんなアイディアを考えつくものだなぁ~、と思いました^^
「空に落ちる」といった表現がでてくるのですが、この作品を観るとまさにその言葉の意味が分かりました。
ヒロインのパテマは「サカサマ人」なので、パテマからすれば
「空が地面」となるわけなんですが、空は果てしなく遠い彼方にあるので当然 足なんてつくはずはなく、アイガ人の重力や錘で支えるなりしないと空に向かって急降下です…
そのことから、パテマ視点でこの作中の世界を見ると
「地に足が着かないことの恐怖心」がふつふつと伝わってきました。
さらに 上記で書いたようにカメラワークが臨場感たっぷりなので、パテマとエイジ両方の視点から上下関係をリアルに体感することができました^^
ただ、物語が進んでいくにつれて2人の視点が頻繁に入れ替わるのと同時に画面も上下反転を頻繁に繰り返すようになるので『あれ?これ今どっちがどっちだ??』と混乱してしまいましたw
でも、その混乱も含めて楽しめたので良かったかな と思います。
ラストは『ほほう、そういうことだったのか!』という大どんでん返し的な結末が待ち構えていました。
しかし細かな設定や人物描写については、わりと劇中では簡単に語られているだけでした。
そのせいでとくに脇キャラの印象が薄く、消化不良感は否めませんでした^^;
面白いアイディア+細かく設定が練られている作品だったので、その分もっと観たかったなぁというのが本音ですね^^;
エイジとパテマの冒険活劇&2828シーンも正直物足りなかった><
とはいえ、ファンタジーものの中編劇場作品としては けっして悪くなかった作品だと思うので、上記のジャンルが好みで気になった方は是非1度視聴してみるといいかもです(`・ω・´)
※{netabare}
(地上)
◯
人
-----------
(地下集落)
◯←パテマ達
人
-----------
(アイガ)
Y
◯←エイジ達
-----------←空は偽物。星空=人工照明
結末の図解を載せてみました。
「エイジ含め、アイガの人達が本当のサカサマ人だった」ということですね^^{/netabare}
■好きなキャラ■
しいて言えば、地下集落の青年・ポルタです。
元気が良く、それでいてパテマをいつも気遣う世話焼きな兄貴分といったところがいいなと思いました^^