くらうち さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人類の思い上がりなのか
押井監督作品ということで視聴しました。
原作未読、関連作品としては初めて見ましたが、設定は難なく理解できました。
{netabare}
散々ゴリ押ししてくるのですが、「バベルの塔」の話がモチーフになっていますね。
科学技術が発達し、レイバーというロボットが生み出され、人類は飛躍的に発展を遂げる。
これは、神に近づこうと天まで届く塔を建設しようとした人類の所業と一致します。
帆場は、OSにレイバーが暴走するような仕掛けをする。人類の所業に怒った神が塔を破壊することと同じですね。それだけでなく、技術やその産物の退廃をももたらしますから、言語の分断と同じようにも見えます。
なぜ帆場がこんなことをしようとしたのかは、難しいですね。
帆場は日本にいたころ、再開発地区のボロアパートを転々としています。
再開発地区は、科学技術の発展によって失われたものの象徴的存在であるといえます。天才プログラマーとして人類の発展の最前線にいた帆場は、それによって失われていくものに思うところがあったのかもしれません。
海外にいたとき、周りから「エホバ」と呼ばれていた帆場は、Jehovahが「ヤハウェ」とも読むことを知って驚喜したといいます。
一つの言葉が二つに読まれる。言語の分断を象徴しているといえます。
このとき帆場は、自らが神たる存在としてバベルの塔を破壊することを思いついたのではないでしょうか。
そして、あえて後発のメーカーであるシノハラに入社する。
こんなことを書くとお堅い話のようにも思えますが、コミカルなシーンがちょいちょいはさまれます。これがウケるw
遊馬が謹慎を命じられるシーンは爆笑でしたw
{/netabare}
作品群が多いのでどこから手をつけたらよいか迷いますが、他の作品も楽しみです。