ちゃんもり さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
悪魔の不在証明
女王エリザベスの治める英国の治安をダークサイドから
守るファントムハイヴ家の若き(幼き)当主、シエルと
彼に仕える「あくまで執事」、セバスチャンの物語。
所謂、「願いを叶える代わりに悪魔に魂を売り渡す」悪魔契約を
題材としております。この題材自体はこれまでも様々な物語で
扱われてきた題材でして、星新一氏のSSなんかにも
ちょいちょい出てくるようなネタですね。
悪魔と人間の契約は、
・悪魔は当然、人間の幸せなど願っているはずがなく、
いかに契約者の願いをいびつな形で叶えるか
・人間側は願いを叶えても魂を渡して死んでしまったら
意味がないわけで、いかに悪魔をだし抜いて願いだけを
叶えさせるか
という人間と悪魔の知恵比べ、という構図が醍醐味だったりします。
ただ、本作の2人の関係は少し異なるようです。
どちらかというと、深い絶望と復讐心に囚われたシエル自身の
行く末を興味深く見守るセバスチャンは「観測者」的な
立ち位置になっているように思います。
ただこのあたり、「セバスチャンの動機」がちょっと弱い。
何を考えているのかよく分からないところが彼の魅力の
ひとつではありますが、シエルに対して何を期待しているのか、
最後までイマイチ分かりませんでした。
シエルもシエルでただただ流されっぱなしで復讐もモヤッと
終わるのでスッキリはしなかったなぁ・・・
と、まぁ前述のような「人と悪魔の駆け引き」ではない、
もうちょい複雑な2人の関係を描くならば、いささか描写不足と
言わざるをえません。
むしろそういったシナリオのメイン部分よりも、
ファントムハイヴ邸でのオチャメな3バカ使用人も交えた
日常部分や、グレルやアンダーテイカー等、濃ゆーい
脇キャラとのドタバタ劇の方が楽しめましたw
EDの「I'm alive」良いですね♪
チビキャラのセバスもかわいい。
ネタを生かしきれてない感はありますが、全体としては
まとまってましたしエピソードも2~3話ごとにテンポ良く
運ぶので観やすい作品だと思います。