くらうち さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
今は憧れのままでいい
「秒速」の新海監督の作品ということで視聴しました。
雨が降らなくなって、会いたければ会いに行けばいいのに、そうはできないもどかしさというか、心の機微がよかったです。
タカオに、「俺、雪野さんが好きなんだと思う」と伝えられて、一瞬頬を赤らめる。最初、これはタカオのことを好きなんだけれども、自分は教師だし、もう東京を離れるのだから、ということで気持ちを抑えたのかな、と思いました。「雪野さんじゃなくて、先生でしょ」と。
タカオの恋が成就してしまっていたら、たぶん、白けてしまっていたでしょうね。
27歳の大人からみれば、やはり15歳の高校生は精神的に子供すぎます。
たとえ「救い」にはなっても、それが恋心に変わるというのはあまりにもリアリティがない。
憧れは憧れのまま、それを糧にタカオは成長できるでしょう。
いつかタカオが、立派な靴職人の大人になって会いに行ったら…色々想像は膨らみますね。
結局実らない恋という点では秒速と同じですが、お互いが気持ちをぶつけあっているので、秒速のような虚しさはありませんでした。そこがまたいいところでもあると思います。
まぁ、なんといっても作画は本当にキレイです。息を呑みます。
本当にこれだけで十分見る価値があります。
花澤香菜は、ビジュアルが良すぎるのでアイドル声優扱いされることもあるとは思いますが、私はとても演技力があると思います。
雪野が最後、大の大人なのに子供のように泣きじゃくるシーンは、とてもよかったです。
新海監督の次回作も楽しみです。