Dr.コトォ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ありがとう、愛してる。
ものすごく個性的な表現が光るアニメですが、
非常に真面目にテーマを語ろうとするアニメでもあると思います。
このアニメは、とにかく個性あふれる演出を駆使し続け、
ほとんど言葉で伝えようとはしません。
しかし終始、「愛」と「罪」について語っていたと思います。
主人公たちは3人兄妹ですが、皆それぞれ大きな秘密を抱えています。
その秘密は主人公たちに罪の意識を植え付けさせ、
愛を表現したり受け入れたりする事に不器用になっているように見えます。
この作品の登場人物は皆、どんな形であれ愛に飢えているようでした。
しかし愛に飢えていながら、愛し方が分からなくとも、
誰かに自分の何かを分け与える事によって
救われる命もあるのかも知れない、
そうあって欲しいと望む作品であったと思います。
作中によく赤い輪っかが出てきます。
ほかのアニメでも出てきた話なんですが、
たぶん罪の輪でしょうか、自分の心の中でぐるぐる回り続ける罪の意識。
自分一人の心の中で「罪」がぐるぐる回り続けても、
誰かの心を渡り歩いていく「愛」があればそれを断ち切れるという表現だと考えました。
切なる願いが詰まった作品です。