にゃっき♪ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
right man in the right place
入学から夏までを綴った1期に続いて、秋を迎え、主人公の八軒勇吾(はちけんゆうご)が馬術部の副部長になったところから始まります。
これ以上は望めないほどに、シリアスとギャグとロマンスのバランスが絶妙で、未視聴の方には1期から続けて視聴することを強くお薦めします。
頼まれれば断る事が出来ないイエスマンの八軒。
集団の中で自分が何かを頼まれたり、何かやってみたいと思ったとき、自分にしか出来ない事ならばともかく、まず考えなくてはいけないのは、誰がそれに適した人材なのか、そして誰が音頭をとる事を周囲が期待しているかという事でしょう。
頼まれた事を責任を持ってやり遂げるためには、自分のキャパを自覚して、ノーという勇気も必要です。
自分よりその仕事を確実に処理できる時間や能力のある仲間に任せなければ、結果的に迷惑をかける事になります。やってみたい事にしても、誰もやらないから自分がやると即決する前に、自分が相応しいことを周囲が納得するだけの積み重ねが前提なのは言うまでもありません。
離農の厳しい現実と、圧倒的な無力感になすすべもない八軒。
一介の高校生に出来る事などたかが知れています。ご都合主義で何とかしてしまわずに、きっちり描ききった、地に足がついた誠実な作品であることを高く評価したいと思います。
家族の期待と自分の夢の板挟みに悩む友人のために身体を張る八軒。
そして家族との関係の改善に大きな一歩を踏み出したした八軒。
八軒の成長は素晴らしく、後は自分自身の新たな目標を見定めて邁進して欲しいです。
何かしてもらうのに慣れきってしまうと、感謝すら忘れしまう事があります。
でも誰かに何かをしてあげてる人は、してもらいたい人です。
ちょっとだけでも立場を逆転してあげれば、それだけで枯れそうな井戸でも水は満たされるに違いありません。
野球少年や乗馬少女、チーズに命をかけてる教師など、どのキャラも生き生きと輝いていて、ハッピーな気分で満たしてくれる素晴らしい作品なのですが、やたら食べ物が美味しそうでお腹がすくのだけは困りました。