退会済のユーザー さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
明日の私へ
そこは、僕のお気に入りの場所だった。
静かで人のこない無人駅は、一人で
本を読むに最適だった。
だけど-
その日は先客がいた。
それは四十五秒未満の邂逅だった。
このアニメには大きく2つのテーマがあります。
それは「夢」と「記憶」。
特に私は「記憶」について考えさせられました。
自分の歴史は記憶にあるのか?
自分が自分でいるために記憶は必要なのか?
例えば
自分が千尋のように12年間の記憶と13時間の記憶しか
持てなかったとしたらきっと私は私であることを疑問に思うでしょう。
昨日の自分と今の自分は違う。
昨日の自分と今の自分は赤の他人。
その日のことを文面に記憶したところで所詮は文字。
その時々の感情、情調までをも再現するなんて不可能。
でも、それは一人でいた場合の話。
私は思います。自分の歴史や自分自身を作っているのは
自分だけではないと。
誰か、一生に一度のパートナー。
このアニメで言えば、蓮治くんですね。
一緒に笑って、泣いて、共感して、その人と共に思い出を
作っていく。
まさに立派な歴史。
記憶が飾りとは言いませんが、自分が自分自身でいるためには
対外的に自分を認識してもらうということが最も重要だと
思います。
極論かもしれませんが、脳死状態に陥った人がいたとしても
その人がその人であるというのはまさに他人(または親族)が
証明してくれますよね。つまりそういうことなのです。
だから、千尋は自分が何かを忘れてしまうより自分が誰かに
忘れられてしまう方が怖いと言っていたのかもしれません。
その点、蓮治くんは一生千尋と一緒にいる、と言っていたので
すごくよかったですね。
これからの人生、何が起こるかわかりませんし
人との関わりを大事にしていきたいですねー笑
昨日の私より