ゼルミナ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
途中下車不可能!一話ごとのヒキが強い。
2019再観。☆上方修正。
あまりに切なく、あまりに美しい物語ばかりに昔は目が奪われていたが、アニメとしての完成度も高い事を実感した。流石はあおきえい。
1話の例のアレばかりが語られるが、それを含めて、各話のヒキが強い。
言うまでもなく「約束された」ラストへ向けて、詰め将棋の様に物語とキャラクターが噛み合っていくさまには戦慄すら覚える。
もう先を知ってるのにも関わらず「どうして」「やめて」「待って」的な感情が後から後から湧いてくるのである。これはスゴイ。
ゼロ年代には割と見られた(そして10年代以降希少になった)「誰も悪くないのに全てが上手くいかない物語」の完成形の一つと言っていいと思う。
つまりは「完成された悲劇」なのだ。
主要キャラが「お務め」という宿命を背負っており、心を殺して無表情になるカットと、それでも溢れる感情をのぞかせるカットの繋ぎはホント上手い。
ラストバトルは挿入歌、殺陣、キャラの表情、美しい走馬灯と全てが調和した、個人的に全アニメ屈指の美しいシーンだと思う。
例の携帯電話をはじめ、とにかく描写が細かくぼんやりと見ていられない作品。また、口が動いているのにセリフが聞こえない描写も効果的に使われている。
まあ、つらつらと書いてきたが、本作の魅力の一半も伝えられていないという奇妙な自負がある。
とにかく見ろ、というの無責任かつ傲慢な物言いではあるが…
とにかく見てください。特に百合好きは必須と言っていいと思うぞ。