fireball さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
藤津さんの「青い鳥」レビューを読んで
スケジュールの厳しさが明らかに視聴者からも見て取れたのが残念。
藤津さんの「青い鳥」レビューを読んでメッセージを整理できたのでアニメを見た人には目を通すことをおすすめしたい。
ラーゼフォンや前作エウレカのような劇場版が欲しい。
前作ファンなどから酷評を受けがちな本作だがエウレカの続編として幾つか考えられたであろう選択肢の一つとしてはあり得るものだったと思う。前作のレビューに書いたが前作のラストはその後のレントンとエウレカにたくさんの課題を残していたので。藤津さんのレビューにもあるが世界には「根本的な解決」なんてできない問題がたくさんあって、上手く折り合いを付けながら前向きにやっていくしかないという方向性はこれまでの會川さん(AOシリーズ構成)と京田さんでマッチしてたと思う。この辺は良かったんだけどやはり惜しさがたくさんあったのは確か。一番はナルについて。アオがレントンの世界改変を望まない一番の理由が「スカブと共生している友達がいる」であったが、ここは友達ではなく好きな人がいると言う方がエウレカセブンシリーズらしいと思う。エウレカのため行動している父レントンにもより響く言葉になったはず。そのためにはナルとの描写はもっと必要だったと思うし、そもそもアオの年齢設定が色々な選択を迫るにしては幼すぎた。前作レントンと同じ14歳で良かった。逆に考えればアオが中学入学直前なのは、恋愛要素はほとんど扱わない意思表示だったのかもしれないが。戦闘シーンは前作よりリアルに近い世界観もあってかパワーダウン。意志の感じられないシークレットとの義務的な戦闘は退屈で時間を割くばかりに思えた。複雑な政治情勢ももう少しシンプルに見せてキャラクターにもっと寄ってほしかった。「ここではないどこか」に憧れるエレナの話は會川さんの妖奇士のメインテーマであったがエウレカAOではサブテーマとして盛り込まれ、他にもシークレットにもスカブにも人間にも成りきれないトゥルースの話とか詰め込み過ぎな印象がある。最終2話にして明らかになったレントンとエウレカの目的や作品の大テーマ自体は好きなのでもっとシンプルに丁寧にやってほしかった。このアニメのストーリーを〇字で説明しろと言われたら最終2話の話でほぼ占められるのはキツキツな構成だと思う。あと軽くムカついたのは前作のジエンドが登場するのかと思いきや中からカノンが出てきたところ。世界は期待通りにはならないという意味で作品テーマと被るのかもしれないが、単純に期待外れだった。
ということでシンプルに大テーマと一部キャラに寄って再構成すれば絶対もっと面白くなる惜しいアニメだったと思うので切実に劇場版が欲しい。