ほったっる さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 2.5
音楽 : 5.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
作画の進化。雨の跳ね具合と木々の揺らぎが抜群。
新海誠さんによる45分程度の短編アニメ。
雨の日にだけ会うことのできる男子高校生と不思議な大人の女性二人の少し奇妙な交流を描く物語。
まずやはり作画ですが、もちろんのこと素晴らしいのです。しかし明らかに進化しています。(少し前に秒速見ただけの私が偉そうに言うのもなんですが)
具体的にそれを感じたのが、本作のキーポイントとなる雨の描写です。
水の描写はジブリの千と千尋の神隠しで見せるようなどぅるどぅるの水というのもなかなか衝撃でしたが、本作品はそれよりも少しさらっとしていて、見ているだけで涼しげさえ感じられるような精巧かつ秀麗な描写でした。
舞台が新宿御苑ということもあり、木々の揺らぎも繊細に描かれておりました。
雨ということで、濡れた木材に揺れて反映する靴の描写も見事でした。
音楽も相変わらず作画の風景にあう素晴らしい相乗効果を見せてくれています。
キャラデザは一瞬VOFAN?と思ったりしました。違うみたいですけど。
さて肝心のお話の内容ですが、
秒速を見終わった直後だからこそ言いたい。
こんなんでええで、ほんま笑
お話としてはすごくわかりやすい内容になっており、敢えて悪い意味で使いますが、いかにもアニメっぽい。ただ、私が先ほど見たばかりの秒速ではアニメだからなーと感じさせる要素がありつつも、現実的な一面も見せつつ、どっちなんだよ笑という感じでした。
まぁもちろん観る方はアニメとして観に来ている分はありますので、あまりにも現実に寄りすぎると拍子抜けしちゃうので、そこはアニメっぽくて良いです。特に、劇場作品として売り出すのなら、現実世界ではあまりない非日常を描くべきだと私は考えております。(け〇いおん!とかは別ですが、まぁ、あそこまで徹底するとマジで非日常やわ)
アニメっぽいとは書きましたが、それはあくまで展開の話であり、詳細についてはそういうのいいね!と思うところも多々ありました。
特に主人公の高校生らしい若さあふれる思いをぶつけるシーンは、「それでいいんだぞ!」と思わずにはいられませんでした。種子島に転校したことで曲がってしまった某高校生よりも若さあふれて好感がもてました。
{netabare}その若さに一応の抵抗を示しつつも、素直に受け入れる弱さをもった大人としての雪野先生も良かったですね。まぁ私はちょうど二人の間くらいの年齢になって、どっちにも感情移入しづらかったのですが。(どちらかと言うと先生でしたがね) {/netabare}
声優については聞きなれたことのある声で少しがっかりしました。うまいのはうまいのですが、ジブリさんとかのようにアニメ映画は俳優さんや女優さんを使った方が、劇場版(映画)を見ているぞ!って気になるので、そちらの方が個人的には好きでした。
例えるなら、ドラマの映画を観る感じ。せっかく劇場版を見てるのに、ドラマの延長かよーみたいな。(蛇足だが、最近の邦画のドラマの延長具合には本当に絶望する。もう邦画で良い作品は生まれてこないのかと思う・・・)
作画・音楽・お話と時間的にもバランスがとれていて、すごく好感のもてる良い作品だと思いました。
あぁ^~雪野先生の部屋着の肩のところをスルッとしたいんじゃ^~
てか雪野先生みたいな先生おったら卒業式にでも告白したいと思いました(小並感)