29号 さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
恋歌というより鎮魂歌…
原作は犬村小六氏の同名ライトノベル。
2011年に公開された映画「とある飛空士への追憶」のアナザーストーリーという位置付けで良さそうです。
全13話。
監督は輪廻のラグランジュの鈴木利正氏。
アニメーション制作はトムスエンタテインメント。
まず最初に確認したのは声優さんです。
とある飛空士への追憶では残念な思いをしましたが、今回は本職の方々で安心しました。
さて内容ですが、
{netabare}
物語の世界観や、目的が不鮮明すし、腑に落ちない点が多々あります。
飛空士を目指す少年少女達が戦火に巻き込まれるって感じのストーリーなんですが、
「イスラ」と呼ばれる超巨大な島で世界の謎を解き明かす旅に出ます……なぜかは不明です。
その旅の途中で遭遇した敵勢力と戦争になります。
旅の途中で他民族と遭遇→戦争って具合に進むので、本当に敵なのかすら不明です。
正義とか大義とかあったもんじゃないです。
冷静に考えたら、自分達の領土に不審な巨大な島が来たらそりゃ武器を構えたくなるわって話です。
敵の情勢や心情などの描写が皆無なのも個人的にいただけなかったです。
戦闘シーンですが、相手は機関銃を装備した飛空機なのに対し、訓練生は訓練機でしかも手動の銃で対抗…なんだかなぁ…。
んで数ヶ月そこそこの訓練で戦争に駆り出される訳ですが、次々戦死していきます。
7話のミツオ・フクハラことみっちゃんとチハルのエピソードは切ないですがそれまでの経緯などは凄く良かったです…死亡フラグはわかりやすかったですが。
さらに8話でかなりの人数が死亡しますが、個人的にこの回は最低です。むしろない方がいいです。
この回のせいで7話が無駄になります。
戦争と恋愛を絡めるのはいいんですが、色々と詰め込もうとし過ぎて全体的な話が薄れてきます…。
といつもの如くウダウダと述べてきましたが、良い点ももちろんありますよ。
主人公カリエルとヒロインのクレアのキャラクターのベースはかなり良かったです。
あと声優陣も個人的に好みです。
花江夏樹さん、悠木碧さん、竹達彩奈さん
石川界人さん、保志総一朗さん、早見沙織さん
などなど…。
安心して聞けますね。
{/netabare}
序盤はそれなりに楽しく見れましたが、中盤の暗い展開を引きずったまま終盤に向かうので素直に感動は出来ませんでした。
「とある飛空士への恋歌」
っと言うより、
「とある飛空士への鎮魂歌」
と言うタイトルの方が個人的にはしっくりきます。