にゃっき♪ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
God tempers the wind to the shorn lamb
神様が、死者の魂を武器に変身させた神器を使って戦う、バトル味のハートフルな作品です。
物語開始早々、中二病が悪化した阿良々木くんのようなジャージ姿の主人公の夜卜(やと)は、神器である相棒の色っぽいお姉さんをナイフに変えて、巨大な化け物をあっという間に始末しますが、宿無しで手汗が臭いためか、お姉さんに契約破棄を迫られ逃げられてしまう始末。
コンビニのバイトやら風呂掃除やら5円で何でも引き受ける自称デリバリーゴッドの便利屋さんをしていて、いずれは自分の社を建てて頂点に立とうと目論んでる夜卜ですが、たし算もかけ算も出来ないようで、連絡をとるために携帯を契約する方がおカネかかるのは謎ですね。
ウエサマ(飼い猫)を探している最中にバスにぶつかりそうになった夜卜をかばい、自分が事故にあってしまった女学生の壱岐ひより(いきひより)は、たやすく幽体離脱するうえ、魑魅魍魎の類に狙われるような身体になってしまい、夜卜に助けを求めます。
これをきっかけに、彼女を守るのに新たな神器が必要になった夜卜は14才の少年の霊を神器にして雪音と名づけ、最初は良好な関係を作れそうに思えた二人ですが、話はそう上手くは運びませんでした。
貧乏神や、七福神で知られる恵比寿や毘沙門天なども登場しますが、私が抱いていたイメージとは、かなりかけ離れていて楽しめました。
狙っているのかわかりませんが、物語シリーズや夏目友人帳を視聴済みですと、主人公の夜卜を演じる神谷さんが、どうしても阿良々木くんや夏目に被ってくるので、これを好意的に受け取れるかどうかで印象も違ってくるかもしれませんね。
夜卜、ひより、雪音の3人の心の交流や絆の方がメインのようで、女性の支持も集められそうです。
わずか1クールの作品ですが、愛に飢えた少年期の反抗や孤独に心を蝕まれていく雪音が、自分を必要としてくれ大事に思ってくれる相手を受け入れ、精神的に自立し、夜卜と信頼で結ばれた真のパートナーとなる過程を描くのに実に長い時間を割いていますので、バトル目当てで視聴された方には苦痛に思われるかもしれません。私も、こんなダメダメなクソガキ(失礼)見ていられるかって思いましたから。
ひよりは雪音を見守る姉というより母親に近い家族のようなポジションで、一般的なヒロインとはちょっと違った魅力を感じさせてくれ、彼女が気に入れば、すぐに完走してしまうのは間違いないですね。
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キリの良いところで終わってはいますが、原作コミックを発売している講談社はレンタルも期待できないOAD作品を次々と付録の円盤にしています。
続編の視聴に差支えない番外編が主流とはいえ、買い損なったら入手が難しい限定盤が当たり前。
私は、もうお財布と相談するのも疲れました。