ソラ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ここがあの女のハウスね
彼を返して 彼を返して でなきゃ金を返して 彼を返して 彼を返して あと、お金を貸して
※宮崎叶夢をネタにしたかっただけ
■とりあえず感想
話としては三角関係のやるせない恋愛群像劇が続いていくわけで、
キャラを好きになれるか、感情移入できるか、共感できるか、みたいなので評価の尺度も変わるわけで、人によって考えはそれぞれ的なこと言い始めるとキリがない。まーとりあえず話の構成としては文句なしですよ。
キャラの動きとしては、情動的な考え方と、理性的な考え方のせめぎあいを上手く表現しているかと思われます。人は、社会人だろうが、学生だろうが、仕事だろうが、課題だろうが、それなりに計画を立てないと動けないもの。ただ、不器用なもので、どれだけ計画立てて生活していても、全てが全て上手くいくとは限らない。それが恋愛だっていうところでまた複雑になっていくわけで。状況において難易度が変化していく。その表現の上で一番の功労者が小木曽雪菜なんでしょう。ま、一番作中で駆け引き的なことしていたわけだし。計算とかして人付き合いする人間って時にめんどくせぇなと思われることがありますが、それ自体を無下に否定することはできない。時に情動的に、時に理性的に生きる。めんどくさいメンタルを抱えた等身大的な存在として大きな役割を担っていたのでしょう。
脚本のジジくさい笑いのセンスとか、序盤での冬馬のとてつもないキャラ変貌(いわゆる成長?)とかには苦笑するような微妙な部分もあったけど、冬馬の成長に至ってもそれなりに頷けるような描写もあったので概ねよかった。ていうかそれ以上に主要人物がそれぞれ苦しむ姿がよく描写されていたなと、ここが大きい。そこら辺を賞賛したい。
しかし、脇役が完全に脇役に徹しているけど、『俺のようにはなるなよ春樹。』とか急に春樹の友達の茶髪(名前忘れた)に言われても。
お前の恋愛エピソードとか知らねぇ!ってかアニメじゃ語られてないじゃねぇか!と思わず言いたくなるが、ここら辺は勝手に想像して楽しみました。原作知らないと分からないのでしょう。ただ、脇役が主要三人を気遣っている姿とかがあったのは良かったのでは。2クールだともっと雪菜のトラウマとか、脇役の掘り下げもできたのかもしれない、だけどそれと同時に中だるみもできていたかもしれない。特に前作のホワルバは後半のラスト6、7話くらいまで退屈だった感はあった。
しかし、春樹を落とす時のヒロインのキャラ作画が妙に気合入ってて、ギャルゲらしくあざとく男を釣ろうとしている姿には流石エロゲ原作、抑えるところは抑えてんのなと苦笑してしまった。まーあれで落ちなきゃホモ専かノンケだよな・・・
据え膳食わぬは男の恥っていうか、食っても食わんでも恥をかくのが常ってか。
加えて、キャラで比較してみるとおもろい。
小木曽雪菜の立場ってとらドラの櫛枝みのりと似ているんだよなとか思いながら見てたんだけど、
◇ホワルバの場合→小木曽雪菜は、春樹と冬馬が、相思相愛なことに気づいたが、自分の気持ちを優先させて、春樹に告白した。ポイントはホワルバ2の7話。
◇とらドラの場合→櫛枝みのりは、高須と大河が、相思相愛なことに気づき、自分の気持ちを隠し、自分が退くことを選択。ポイントはとらドラの16話。
この二人だと、櫛枝みのりのほうが支持されるのはごく当然なことだろう。
まーそれは視聴者の好き嫌いであるわけで、この二人の選択のどちらかが正解なのかどうかは誰も決めることができない。とらドラのほうがハッピーエンドで終わることができたからとは言え、そういう話を始めたら、エンドって言葉自体フィクションの勝手な都合なのである。エンドなんて存在しないんだよ。みたいなフィクションの範疇外の話なんかが持ち上がって論外。結局、群像劇に対して適切な評価なんて当人でさえできないのに。視聴者にすることなんてできるわけがない。そう言ってしまうとミもフタもないけども。
なんにせよそんな複雑な部分をフィクションで伝えられたのは脚本での説得力の高さもあったのだとも言えるだろう。そう思うと、とらドラや凪あすもその手の恋愛群像劇ではあったのだけど、登場人物がいい奴ばっかで綺麗にまとまりすぎてるなと思うこともしばしば。それでもホワルバもとらドラも凪あすも繊細な心の動きを捉えたって部分では偉いことには違いない。
でもやはり、ホワルバ2はエロゲ原作であり、めんどくさい女や男が登場するから、とらドラみたく男女層共にコンスタントに支持をされるようなものにはなりづらいので、とらドラ並みに評価されることはなさそうなのは少し残念なことではある。めんどくさい男女のお話って同性が嫌うパターン多いよなーと思う今日この頃。