Dr.コトォ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
めずらしく10代後半の心の葛藤を描いている宮崎アニメ
宮崎駿監督のアニメといえば
思春期直前あたりの女の子を主人公として描く作品が目立ちます。
もしくは特別な境遇・立場にある強い女性を描くことが多い。
この作品の主人公ソフィーは割と普通の人間であり、
家族や自分の将来についてどこかモヤモヤしながら生活する
どこにでも居そうな18歳の少女です。
登場するハウルも、やはりどこか迷いや焦燥を抱えた青年であり、
髪の色が変わっただけで意気消沈して動けなくなったり、
むやみやたらと禁断の魔法を使うなど、問題行動が目立ちます。
この二人は心のどこかで、誰かに支えられたい、支えたいと
思っていたのかも知れません。
だからこそ90歳の老婆にされて体が思うように動かなくても
ハウルに献身的であったし、
90歳の老婆であったとしてもハウルは
自分を助けようとするソフィーを受け入れたのかなと思いました。
ハウルが「僕は本当は臆病なんだ…」と、
ソフィーに打ち明けるシーンが印象的に残っています。