「新世紀エヴァンゲリオン Air/まごころを、君に(アニメ映画)」

総合得点
83.8
感想・評価
1445
棚に入れた
8413
ランキング
308
★★★★☆ 4.0 (1445)
物語
3.9
作画
4.0
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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Dr.コトォ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

誰の中にでもある世界

まごころを君に。という、
まさにそのタイトルそのものだと思います。

心の奥に隠したはずの汚れた感情、欲望、生、死…
90分という短い時間の中で、
新世紀エヴァンゲリオンという作品のすべて、
あるいは人間という生物のすべてが描かれているようでもあったと思います。

この作品について特に際立っているのは、
作り手(主人公)の精神性が他者ではなく自己に向かっている事です。
人物を絵に描いて表現するアニメであるにも関わらず…です。
非常に私小説的だと思います。

アニメにおいて「自己」を徹底的に表現するために、他者を排し、生きる場所を捨て、
全てを無に還した世界が自己にとってなんであるかを視聴者に見せつける…。

そんな表現はそもそもナンセンスだ、描く必要は無い、
そこまで考えるような事は求めていない、という声もあるのでしょう。

しかし…自分が感じた事ですが、
自分自身について、限界まで考えたりして、自分の中に潜り込んでいる時には
周りに何も無くなったような感覚に陥っているような気がします。
世界に自分一人しかいなくなったような感覚でしょうか。
それを絵で表現すれば、おそらくこうなるだろうと。

劇中でも間接的に表現されてはいますが、これはただの「絵」です。
でも「絵」だからこそ表現できた事だと思うのです。
だからこれを見ている間は、自分もまた自分自身の中に一人で潜っていく、
そんな時間と場所を与えてもらっている感じです。

人は独りでは生きていけないとはよく言ったものですが、
人であるが故に一人でなければたどり着けない場所があるようにも思える…
だからこんな作品群が存在しているのだと思います。
作ろうと思う動機付けはあるはずだと。

だから、できれば忘れたくないです、このアニメは。
この先もずっと心の片隅に置いておきたいですね。

投稿 : 2015/03/09
閲覧 : 306
サンキュー:

11

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