Dr.コトォ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
stray...
長い間レビューを書かないままでしたので書いておきます。
2003年1月期のアニメ。
世界観は淡い色で塗られた退廃的な雰囲気、
よそ者を寄せ付けないような閉鎖的空間が演出されています。
主人公は4人組であり、200年前に滅びたとされるオオカミ族の末裔です。
その4人が植物の化身であるヒロインと出会い、荒廃した世界になお生き続ける
人間との交流も描きながら旅をしていく物語です。
ストーリーの盛り上がりはあまりありませんが、
そのゆったりとした時間の流れと落ち着いた空間に包まれるような感覚があり、
普段の日常とは違う世界にどっぷり浸かる醍醐味が味わえます。
終盤では旅路を歩んできた仲間にも悲劇が訪れますが、
ラストで全てが繋がります。これが救いというものなのでしょうね。
この作品が特に素晴らしいのは、
その淡く荒廃した世界観にマッチするサントラ・OPとEDでしょう。
普段の日本的アニメの感性とは全く異なった作られ方であり、
まるでハリウッド映画を見ているようでもありました。
攻殻機動隊などで有名な菅野よう子さんが作曲したものが多かったですが、
派手さに決して頼らず、じっくり聴きこみたくなるような音楽を作って下さっています。
夜の街を、雨に降られながら、歩きながら聴きたくなる感じです。
それにしてもこの時期のアニメはなぜこんなにも
落ち着いた、真面目でひたむきなアニメが多いのでしょう。
売り上げに繋がるとはあまり思えませんが、それでも作り続けた人達の
情熱とこだわりが伺えます。
もうこんなアニメはこの先見ることができないんでしょうか。
見れるといいんですが。