にゃっき♪ さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.0
作画 : 2.5
声優 : 2.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
prosperity tries the fortunate, adversity the great
仙台を拠点に活動しているアイドルユニット「Wake Up, Girls! (以下WUG)」のサクセスストーリーで、劇場版の続編にあたります。
いきなりメンバーの7人が勢揃いで出てくるので、先に劇場版を視聴してなかった私は、終盤まで個々のメンバーが区別出来ませんでした。後から劇場版を視聴して初めて立ち位置を把握出来たような状況で、これからご覧になる方は劇場版を先に視聴した方が良いでしょう。
メンバーの差別化がきちんとなされていない反面、WUGの所属するいかにも地方の弱小プロダクションの信頼できない女社長や無能なだけのマネージャーなど、周囲の人物はいろんな意味で存在感があり、力を入れるべき場所を取り違えているような印象の残る作品だったように感じます。
作中で、国民的アイドルグループとして登場するI-1クラブは、敏腕プロデューサーが「休まない。愚痴らない。考えない。いつも感謝」を常に復唱させ、規律に従わないメンバーを容赦なく切り捨てていく競争の激しい集団です。そのI-1クラブの初代センターをつとめた過去を持つ島田真夢(しまだまゆ)を主人公に、オーディションやスカウトでたまたま出会ったメンバーたちとは思えないような、強い絆が出来ていくのを丁寧に描いていたのは好感が持てました。ただ、アイドルを扱った作品にしてはライブシーンが少なく、同時期に放送されたアイドル作品ではない「のうりん」の初回のライブですら移動カメラ視点で魅せてくれた事を思うと、固定カメラだけというのはちょっと物足りなく感じました。
始まって早々に劇場版のクライマックスである彼女たちの初ライブでの露骨なパンチラのシーンが流れたり、場末の健康ランドで水着で歌わされたうえ、客にキャバクラ嬢の様な過剰なサービスを要求されるシーンはあまりに痛々しく、視聴を断念したくなったのは私だけではないでしょう。唐突に911の話を語りだすのも意図がよくわかりませんし、変な視聴者サービスをするかと思えば、社会派のようなポーズを取るような制作側は、周りの眼を気にしながら媚を売っているようで、もっと自信を持って質の高い作品を生み出そうという一貫した姿勢を見せて欲しかったと思います。中盤から盛り返してくれますが、序盤に忍耐を要求されるので、あまりお薦めは出来ない作品でした。