けみかけ さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
この作品に漂う「BL臭」の正体と「男の友情」の違いとはなんなのか?
ディストピアSFにありがちな説教臭い話で目新しさの欠片もないな、というのが第1印象
ただ作画はかなり美麗で、オイラが絶賛する絵師のtoi8さんがキャラ原案でキャラデザはアクの強めな石野聡さんってことでどうなることやら;
と心配もしたが上手い具合に中和されて着地
毎話安定しているし、安心クオリティのようですね
さてさて、既に多くの方のレビューにもチラホラと見えていますがこの作品にそこはかとなく漂うBL臭の正体をを突き詰めたいと思います
まず主人公のシオン(♂)がちょっと普通じゃない
彼は相棒となるネズミ(♂)は言うに及ばず、ヒロイン、犬貸し、情報屋のおっさん・・・
という具合に会う人を次から次へとキュン死させる能力を持ったいわば『一級フラグ建築士』
正直彼がモテモテな理由がヴィジュアル以外ではオイラには思い浮かばず、KYな発言の数々でそもそもに主人公としては薄っぺらく感じる
しかしまあそれでも「この作品はシオンとネズミの友情物語なんだ」「美少年同士の耽美な世界なんだ」と仰る方もいらっしゃることであろう
だがオイラには、どうにもこの作品で描かれている男同士の友情というものが胡散臭く感じる
男の友情って何かに向かう時や何かを目指す時、何かを成し遂げんとする時に【同じ方向を向くこと】ではないでしょうかね?
一緒に甲子園行こうぜ、とか
この計画は絶対成功させようぜ、とか
そーゆー時に自然と滲み出てきて友と【同じ方向を向いてやる】のが男の友情だと思います
スポ根モノとか或いは「王立宇宙軍」や戦争モノetc・・・
ところがこの作品の二人って【お互いの方を向いて】るんですよね
『お互いを見つめ合ってる』んですよ
シオンはネズミを、ネズミはシオンを、いつなんときも気になっているわけです
正直、大半の男はいくら親友だってそんなことはしません
これは完全に恋に堕ちた二人組みのやる言動ですw
オイラにはあさのあつこさんが「男の友情をカンチガイしている」or「よっぽどの極例を描きたいんだなー」としか考えられんです;
だからこの作品見て彼らのことを「男同士のアツイ友情だ!」と思い込んでいる人がいたら「これフィクションですからw」と笑って言ってあげたい
そんなこんなで、先述の通りSF的な観点でも、またドラマ的な観点でも突出した作品ではないと思います
だから「こんな男いねーよw」と、ご理解いただけて笑って許してやれる方のみが視聴できるという凄く【上級者向け】な作品であると認知していただきたい