STONE さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ちょっと駆け足だったかな
いわゆるマネーゲームを、異空間の「金融街」におけるディール
(バトル)に置き換えるという発想が面白かった。
ディールは現実のマネーゲームに相当するものであるため、駆け引きを
重視した頭脳戦、心理戦的なものを想定していたんだけど、思ったより
力業による肉弾戦主体だった。現実の株、先物取引、FXなどは市場を
舞台にした集団戦の様を呈しているだけに、1対1のバトルに
置き換えるのは難しかったのかな。
当初は主人公である公麿のディールによる資産運用を主軸に、
「公磨にとってお金とは?」を考える身近な話だと思っていたら、次第に
ストーリー展開がスケールアップしていき、最終的には日本の存亡
そのものを掛けた壮大なものになっていったのにはびっくり。
こういったスケールの大きい話は好きなんだけど、エスカレートする
ストーリー描写に尺を取られたか、中盤ではディールがおざなりに
なっていた感じ。
今を取るか、未来を取るか、どちらに転んでも絶望的な状況の中、
どのような結末に至るか興味津々であったが、この終わり方はありと
言えばありの印象。ただ、心情的に納得がいかない部分もあった。
特に三國の個人資産を減らしてディールに勝とうとするために、円の
価値を下落させた行為が、結局は日本を消滅から救ったという展開は
偶然性が高くて、ちょっとご都合主義的な感があった。
結末も含め、途中現れた幾つかの謎が曖昧なまま終わってしまったが、
未回収や放り投げではなく、視聴者の解釈に委ねたものと
受け取ったので、個人的にはこのままでもありかと思う。
ただ、2クールぐらいのスパンがあったら、その辺も
はっきりさせたかも。
前述のストーリー描写とディール描写のバランス問題も含め、
1クールでは短すぎた感じで、2クールでじっくり観てみたかった作品。
おかしかったのは羽奈日というキャラの存在。
当初はメインヒロインかと思っていたが、ドンドン存在感が薄くなり、
最後は未来を失った日本を象徴する記号的存在になってしまった。
あれは何だったのだろう?。制作側も迷いがあったのかな。
存在感の無さが、逆に印象的だった。