★mana★ さんの感想・評価

3.0
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 3.0 状態：観終わった

本当の自由とは・・。

1話から独特の世界観と、
何故か観た（聞いた？）事のあるような話。
あれか？と思いつつ、まさかな･･と思い考えるのをやめました。
だって、そうであれば世界的に有名な作品になっているはず・・それは最後に語ろうと思います。


どこからともなくやって来る、灰羽。
壁に囲まれた世界。
危険な森。
鳥だけが越えられる壁。


何故生まれたのか、
何故羽がはえるのか。
それは全く分かりません。


その灰羽達が仲間達と何気ない日常を送っている話です。
そこに現れた「繭」。
そこから主人公「ラッカ」が灰羽として生まれるのです。
始め「ラッカ」は自分が灰羽である事に戸惑いを感じますが、
みんなの温かさに包まれ灰羽として穏やかに過ごして行きます。


しかし、そこには突然の別れがあり
初めて経験する別れに「ラッカ」は嘆き、悲しみ、次第に堕落して行きます。
その表現があまりにも暗く、悲痛に感じました。


私は、この作品に「陽」の部分を感じる事が出来ませんでした。
終始「陰」を感じ、精神的に何か訴えかけられ、揺さぶられる作品でした。


そして始めに書いた事を語りたいと思います。
「あれ」とは、そう、村上春樹氏の
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」
です。（wikiで発覚、やはりなっと思いました）
個人的に村上春樹氏の作品は好きなのでほぼ読んでいますが、
「世界の終わりと・・」の中に出て来る話と酷似しているのです。
きっと読んだ方なら必ずそう感じると思います。
そして彼の世界観が好きであれば、
すーっと心に入って来る作品ですし
なかなか独特の世界観なので、
理由や意味を追求される方には向かない作品だと思います。